「古地図で謎解き 江戸東京「まち」の歴史」跡部蛮

古地図で謎解き 江戸東京「まち」の歴史 (双葉新書)

古地図で謎解き 江戸東京「まち」の歴史 (双葉新書)

 

 

各地名で小さな地図が出てきて、その中に関してを徹底的に調べる、というようなスタイルの本だったんですが、正直そのエリアから歩いて5分の施設にすら触れられていないのでひょっとして純粋に「調べ物のみ」で出来上がっているのでは、と考えてしまったんですが、六本木でミッドタウンと新国立美術館が2大象徴って…六本木ヒルズどうした。
スカイツリーが工場跡地だったレベルで触れてないので選んだ地図次第のようです。

が、そこまで限られた情報からだといまいちだと思うじゃん? でも両国だと総武鉄道時代にこの辺まで駅があって、橋がこの辺から作ってて、というのは正直初めて見たし(ていうかその角度でその時代触れてるの見たことなかったんで、荒川放水路との関係が始めてわかったかもしれない)、青山で「大山街道として扱われている」だとか、江戸5街道に続く準街道という言葉が出てくるとか、なんか地味に面白いんですよね。
とはいえ、池袋駅に東上鉄道(東武東上線)が来たのがなぜかわからないとか語っていたり、翌年に開業した武蔵野鉄道(西武池袋線)に触れないし、鉄道省が呼んだとか普通に言われてるよなぁ、というのが疑問だったりまあ本当にいろいろばらばらですw
(鉄道の本だとかなり初歩的なところで出てくるし、興味ないなら触れなきゃいい。)
自分でテーマを選ぶんじゃなくて、ひたすら狭い出来事を情報整理の要領でやってく分には面白いもん書くんじゃないかな、という気もするんですが。同じテーマで書いてる荻窪圭氏にちょっと似てた気がする、まだこの人のほうが錬度は低いんですけどね。
巻末の辺りの府中、豊島園、光が丘、板橋、王子、千住って並んでるのが穴埋めすぎるw 江戸が切り口のはずなのに立川・八王子を一つにまとめる並べ方もビビる。が、それでもまあまあの内容です、元吉原の記述とか珍しくていいよね。