「日本の時代史(8 京・鎌倉の王権」五味文彦・編

どうもいまいち鎌倉の権力構造みたいなものが理解出来てないなー、と思っていたんですが、これはあれか、鎌倉だけ見ててもあんまり意味がないんだろうなぁ、という辺り。
すごく大雑把に「南北朝時代」ってなんやねんみたいなところがあるんですが、いやだって鎌倉幕府のあとって室町幕府って認識しまっても成立しちゃうんですよね。
要するに最初から京都と鎌倉ってどっちかだけが権力を握っているというわけでもなく、両方が機能し続けてるってことなんですよね。ていうか、京都と鎌倉が交流があったらしいというのは最近ぽちぽち聞いていたんですが、これむしろ、交流せざるを得なかったみたいな感じって認識していいのかなぁ。
あとあれ、千葉氏がどうとか上総氏(千葉氏の血縁)がどうとか、渋谷氏がどうとか、関東の歴史やってるとわりと定番の方たちの名前がぽちぽち、この時点では必ずしも地域に溶け込めてないみたいな感じだっけ?
いやそうじゃないのか、この時代に地方に関してもわりと具体的に統治能力が求められるようになり、その土地と必ずしも関係ない能吏が雇われることが目立つようになった、という意味かな。
どうも個人的に官吏の地位みたいなものも把握出来てないんですが、正直、いつまで経っても律令制(7世紀くらいから)の名残りが残ってるんじゃなぁ。江戸時代まで律令制の官位を売ってるので本当にわからなくなるのも無理はない気がする。

あと気になるのが東国武士が思ったより独立性が高かったのだろう辺り、「府中」と呼ばれる地方都市の存在がこの頃から目立つようになったという話、中世研究ってまだ途上なんでしょうが、やっぱり昔よりだいぶ進んでるな、読みでがありました。