「八幡大神-鎮護国家の聖地と守護神の謎」イチから知りたい日本の神さま3、田中恆清・監修

熊野、稲荷と続いてのシリーズ3巻めなんですがこのシリーズで通して「大神」って表現になっているのが正直さすがに意味がわかるような気も。
あれなんですよね、そもそも祭神があまりはっきりしないということが明言されているんですが(応神天皇とその母親の神巧皇后はまあはっきりしてるものの、この2神が加わる以前にどう考えても原型があるのよね)、この本で宇佐の「本宮」やら宗像三女神との関係とまで言われて若干の頭痛…あの辺苦手なんですよね、情報がまとまってなくて。
そして岩清水八幡宮がそれなりの地位とは知っていたものの、伊勢神宮に続いての次席だとか、関東に勧請された鶴岡八幡宮が「若宮」と呼ばれていてほとんど支配関係の中核のような存在になっていたとか、正直そこまでは知らなかったです。
関東に特に多いのはこの本の中でそこまでの地位ではなくなった(為政者との関係が)、と言われていた徳川政権時代も、八幡神社以外は作るための許可が必要だったと見たことがあるのでそこまで特別性が失われた気もしないなぁ。

てか、そもそも神仏習合において一番重要な神社らしいんですが、今まで読んでる神社関係の本と違ってしれっとそのことを明言しているのもちょっと不思議。
結構伏せ気味というか、仏教との関係はぼかす神社のほうが多いんだよね。
廃仏毀釈の当時やそのあとならともかく、戦後の今になって意味があるとも思えないのであるいは廃仏毀釈によってなにかお寺さん側との揉め事があった神社が多いのかな、と考えているんですがどうなんでしょうね、寺側からは神社の言及さらっとしてるしね。
それと、時々見ていた八幡神社の化身のようなものは神仏習合地蔵菩薩版と若宮版とがそれぞれ存在しているんですね…八幡神って神が単独にいる、よなぁ、どう見ても。