「北の保線-線路を守れ、氷点下40度のしばれに挑む」交通新聞社新書033、太田幸夫

北の保線―線路を守れ、氷点下40度のしばれに挑む (交通新聞社新書)

北の保線―線路を守れ、氷点下40度のしばれに挑む (交通新聞社新書)

 

 

北海道の保線作業員の方の本なんですが、実際冬、雪の場面に当たった時に出来ることなんて限られているというかひたすら同じことをするしかなく、なにか特別な技術があるというわけでもないんですよね、雪国じゃなきゃとてもじゃないと起こらないようなことは結構いっぱい起こるけどね!!
本そのものはまずどんな環境においても変わらない保線作業を語り、それから続いての豪雪地帯の特別な部分、というのは納得。
ただまあ、正直鉄道本に慣れてないとちょっと取っ付きにくい部分はあったかもw
というかそもそも北海道って「北海道って名前が誕生したのが明治2年、それ以前は蝦夷地」って本の中の鉄道唱歌の解説でも触れられているんですが、要するに開拓されたのと鉄道が作られ始めた時期の違いが大してない、なんというか鉄道が基本的に開拓目的で作られてるんですよね。
国鉄からJR北海道に所管が移ってから少しずつスピードアップした、と言われてたんですが、その時点で整えられたのがレールっていう。すみません、関東の私鉄の本読んでると戦後10年内くらいにやってた整備ですよね、となにかしみじみしました。
2014年の今は少し前のいろんな騒動がまだ記憶に新しいんですが、レールのぐんにゃりと曲がる光景もあれ自体はほとんど一瞬で起こる(レールの張り出しって言うのね、特別な名前ですらないのね)、と聞いて驚愕。夏にレールに水掛けてるのもその防止らしくて、あー、確かに整備不良ではあってもそこまで単純に目に見えるわけではないのか。

噴火や事故、同爺湖号事故なんかもそうなんですが、なんだろう、整備って注目されないけど大事だよなぁやっぱり。アイディアと奇策で乗り切ってくとかそういうことじゃなくて、試行錯誤で黙々とやり続けるしかないんだよなぁ、これも。