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「神社が語る古代12氏族の正体」関裕二

日本ノ宗教 Book
神社が語る 古代12氏族の正体(祥伝社新書)

神社が語る 古代12氏族の正体(祥伝社新書)

 

 

正直一言で申し上げてわりと形容に困る本だったんですが、ぽちぽちと読んでると銅鐸と銅剣・銅矛が一緒に出てくることがない想定だとか、前方後円墳が前に見たものと微妙に違っていたりとか(祭事の場所として捉えてるのは近かったし、多分そこまで離れていないと思うんですが、明治くらいの資料から形状が本来想定されていたものと違うって言われてたよなー)、少しずつ気になることもあったんですが、多分それ自体は遺跡の発掘状況が思った以上にスピードが速くて追いつけないんだろうなということで納得。
だいたい、私の読んでいた教科書がもう全くお話にならないことだけはよくわかりました、古代道路や出雲関係の本を読んでいた時点で薄っすら理解してたんだけどね…。
この人の結論には納得しないものの、「ヒメミコ制」を主体とした権力簒奪の構図というのは面白かったんですが、一族の女性が移動することで簒奪が完成するその構図を男性主体だって言い張られるとなぁ…、なんか意味が通らなくなっていたような。
それと連動するようにアマテラス神を男神と、卑弥呼を殺したので説明が出来なくなった、というそれ自体は一概には否定出来ない説も根拠なしってのはちょっとなぁ。
ヒメミコ制以外の部分は別にあってもおかしくないと思うんだけどね。

ただ、今まで聞いていた「聖徳太子は存在しない」というのを蘇我氏の功績を一つにまとめた、中臣鎌足はもともと中臣氏にとっては異物だったのではないか、という論説に関してはお見事、というか、聖徳太子の伝説が複数の存在の集合体だったり中臣鎌足が外部からの人物だったってのは確かにわかりやすい。祭祀を行う中臣氏から鎌足の藤原氏が分離してまた中臣氏が神道を握った、という部分は従来説でも通用するけどわかりやすい。
が、まあやっぱり全部は到底信用出来ないw とはいえ過渡期ならこういう本もありか。