「会社の誕生」歴史文化ライブラリー5、高村直助

本の中で坂本龍馬海援隊のことを「日本で始めての会社の原型」とするのは全くの見当違いだ、ということが語られていたんですが、確かに軍隊に近く、政治には関与しない、と明言されているにも関わらずそれに類する活動があったのは会社らしくはないながら、構成員が社員に近いって言われたらそこはそんなに見当違いでもなさそうなんですよね。
まあ、この著者さんはあくまでも資金形態の方向に意識がいっていて、そういう意味だと会社とはだいぶ違うとは思うけどね。そういう意味だと江戸時代の為替商の一族支配に合名会社などに近いものがあり。株式会社に近いものとしては突飛かもしれないが、と富くじが挙げられていまして、あ、なるほど、確かに複数から集めて一箇所に資金を、ということだとちょっと近いものがあるかもしれないなぁ。
特定の商売に融資、成功したら報酬、失敗した場合は保障なしってのも確かに近い。
(というか、この形式はあまり数がないようなんですが、これ聞くと富くじもわかる。)

個人的には初期の頃の会社、ということで明治2年に政府主導で作られたらしい通商会社と為替会社が気になるんですが、て、これセットだったのか、前に金融の本だと為替会社だけしか触れられてなかったんですが一言欲しかったw
明治初期くらいから戦前にたまに三井組などの「組」という呼び方がぽちぽちと見られるんですが、これがその時点ではカンパニーの訳だったらしいので、あ、ただの「会社」って意味なのか。思った以上にシンプルな経緯でした。
で、国立銀行作ったり、製紙会社作ったり日本鉄道KK作ったり、内国通運会社作ったり、と国家主導だったり華族の資金を宛てにしたりでぼちぼちと。会社法すらないわ地方自治体が会社認可したりとか、薄っすら知ってましたが初期の体制頼りないww