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「足利義政と東山文化」清水新書026、河合正治

日本中世史 Book

正直今まで読んできた中では「応仁の乱」を捉えるには一番いいんじゃないかと思うんですが、どうなんだろう、微妙に合戦関係の描写が一般的なものと違うところがあって、一部特定の存在を貶めようとしてる史料を採用しているような気がするなぁ…。
まず足利義教(6代)の時代から語り始めまして、彼の行う圧政や無秩序な振る舞いがだんだんと他の家の人間にも利用されるようになって、それぞれの家で下克上のような振る舞いが目立ってきた、というのが応仁の乱の前にあった複数の家の内輪争いの正体ってことなのかも、確かに義教だけの意思とは言い切れない節はあって、でもこの時期にやたらと集中しているのは事実だからなぁ。
で、義教自体は今までの行いの報いを受けたとしか言い様がない形で暗殺。
その争いをほとんど丸ごと引き受けることになったのが足利義政(8代)、一代開いてるのは兄が一旦即位してあっさりと死んでしまったからですね。この兄は外戚として権勢を振るっていた日野家の血ではなかったらしいんですが、どうなんだろうね一体。
ただあんまりその辺は重要でなく、結局次の義政にしたところで日野家とは距離を取りたがっていたからなんとも言えない。

一応本そのものは東山文化も挙がっているのですが、一旦歴史の流れを見てきた上でのこの時代の芸能の萌芽みたいなものを見直した程度でそんなに新味はないかなぁ。
いやでもこの本そのものが昭和59年だってことを考えると、むしろこのあとの研究には影響を与えたんだろうか。足利義満(3代)の金閣寺と対比されるという銀閣寺にしたところで、それ自体は確かに建築や庭の歴史には影響を与えたとは思うものの、芸能の担い手たちのパトロンにはなれてなさそうだし、なんでこの時代だったんだろうね?