「関西国際空港-生者のためのピラミッド」佐藤章

関空に関しては日本初のLCCであるピーチが就航した、という以降がわりといいイメージがあるんですが、それ以前に関してが赤字空港とか「地盤が沈むんだよ!!」とか、要するにダブルパンチで空港が沈んでいる上に閉鎖される予定だった伊丹空港が残存となり、そもそも過剰に需要を見積もっていたために赤字はますます拡大し。
さらにこの「関西国際空港」を作る時点で早い段階に地元からの反対で空港予定地から外れていたはずの神戸の空港計画が復活し、関西に3空港体制となりました。
おまけに関空はそもそも海の上にあるんですが、地盤というか、堆積層に鉄棒を差したら無抵抗で3メートル沈んでしまい、その下にあるのが軟弱地盤だそうです、上のはなんですかね一体、沈殿物って言うのかな要するに。
この地盤の建設費はなるべく良い方向で算出され予算が付き、その後、予測の中で最悪のところまでブレ、1年間の開港時期の遅れと、ウィングのカットというとんでもない事態を引き起こしたようです、大阪市大阪府と経済界で乗り切ったようですが。

伊丹空港の近くの住宅地は第三者で比較的空港寄りの著者さんですら異常事態かなにかと誤認するほどの異音があり、一帯はびりびり震えるほどなんですが、だいぶマシになった、と言われていて、現在は朝7時から夜9時までの門限があるシステムになり。
なんで畳まれなかったのか、というのは正直読んでいてよくわからなかったんですが、伊丹空港がなくなると今までその地から去って行ってしまって今更戻らない上に支援まで消えるみたいな痛し痒し…、しかし門限が使用に辛く、緊急事態などの場合には着陸するというのは暗黙の了解となっているようです、ううん、厳しい。
そこに政治絡みや財界のごたごたが、ていうのはもういいです、もういい。