「自動車-自動車と交通システム」図説・日本の産業1、月尾嘉男

もともと蒸気という動力が登場した時点で馬車からの動力転換が行われましてしばらく蒸気自動車として発展し、もともとここの蒸気からガソリンへの転換は構造的にやりやすいのかなぁ?(何個か例あるよね) ガソリン車が登場し、続いてフォードの手で量産化。
部品の規格化を鉄砲の製造から取り入れ、ベルトコンベアを鶏工場から取り入れての効率化が行われたようなんですが、これが基本的には今もそこまで大きな変化してないと聞くと大したもんだなぁ、という気もしますかも。

で、自動車が一般化していって公害が生まれたり、渋滞が生まれるという段階に至っての次世代の交通システムとして位置付けられていたのが新交通システムだったんですが、ああ、確かに鉄道というより自動車に似てるって言われたら似てるかも。
最近、専用バス道(BRT)という概念を聞くことがあるんですが最小の幅の中を走ると必要な土地が少なくて済む、というところから始まってたのか、これが新交通システムへと形を変えたんだとすると、BRTそのものは言い訳だと考えられても仕方ない面もあるのかもしれないなぁ。鉄道の廃線でのバス運営ってのはありだと思うんだけどね。
ここではまだ語られていなかったんですが、なにしろ昭和57年の本だからガソリンからの動力転換なんて話はまだちょっと間があってもおかしくないか。
反面、自動運転によるタクシーのような乗客の任意のどこにでも行けるという構想はすでに存在しているんですね、それと人車の完全分離された街なんてのも紹介されていたんですがこれはむしろ鉄道のほうが進化してそれに近い形になってきてるかなぁ。
全ての理屈に賛成したわけではないんですが、面白かったし読みやすかったなぁ、この著者さんってなんの専門家なんだろう(本のラインナップ見てわかんないのw)。