「武家の古都、鎌倉」日本史リブレット021、高橋慎一朗

武家の古都、鎌倉 (日本史リブレット)

武家の古都、鎌倉 (日本史リブレット)

 

 

日本史リブレットの本で、ある程度守備範囲に近いところを読んでおこう、というつもりで取り寄せた本の1冊目で(前にも読んだことはあるんですが、タイトルで引っ掛けたとか偶発的な理由だったんだよね)、タイトルが正直茫洋としているのであまり期待せずに読んでみたんですが、なんかこう、今の段階で読むのにいい本だったような気が。
あれなんですよね、私、鎌倉時代や室町時代の本を読むようになって、寺院関係の話がわりと頻繁に出てくるということはわかっていたものの、権力との関わり方がいまいちイメージ出来ていなかったんですが、この本を読んでいるとどちらかというと「寺院がまず作られてから行政機関が作られた」というように読めなくもない。
この時代の寺院って全てではないものの、座というものを持っていてその座に各種業種の人間が属しているという側面もあったはずなんだよね。で、さらに言うと鎌倉の寺院には裁判を請け負ったような記録もあるんだよね。
それこそ行政以外の庶民の生活に不可欠って気もしなくもないんだよなあ。
それと、これは別のところで読んでいたんですが、鎌倉に大工がいなかったので呼び寄せた、という「浅草」ってのも要するに浅草寺のことですよね。
鎌倉時代だと確かそう捉えたほうが正確なはずですし(江戸の頃にお寺さんを中心に町が作られていったんだよね)。

で、権力者も権力者で寺院に対しての寄進だなんだってわりと盛んなんだよね。
ある程度間接的な形で権力者と庶民がつながっていたんだ、と把握しようとするとわかりやすくなるんじゃないのかなぁ。あと寺院って書きましたが鶴岡八幡宮をお寺括りにしてごめんなさい、でも見分けつかないんだよ八幡神社!!