「三井グループ」入門新書 時事問題解説25、児玉清彦

まずそもそも三井グループというのはどこからどこまでか、ということだと今はわかりませんが(1978年刊行)、この本の時点だと「二木会」の参入メンバーなのね、正直「月曜会」のほうが知名度上のような気もしますが、財閥全体の本だとそれが出てくるしね。
で、大雑把に戦中末期に大銀行同士の合併があったんですが、三井が第一勧業と、他に安田系と三菱系が合併しまして、唯一破談しちゃったのが三井銀行だけで、相対的に銀行が弱体化してしまい、結局資本関係が弱まっていって全体のグループも赤字化、ということのようなんですが、うーん、銀行が原因なのかなぁこれ。
もともと三菱は重工業が得意っていうか、重いもの以外が全然駄目なんですがw 三井はなんというか逆みたいなところがあるし、個人的には三菱みたいに得意なところに絞ってしまえばいいと思うんですけどねー。不動産と物産みたいなスケールメリット生かすのはまた別としてねー、てか、本社を継いだのって三井不動産だったんだ。

三井グループ構成会社が赤字企業となって、あとから二木会に参入した三越(ここはむしろもともとの正業の一つの呉服屋で分離したのは明治の頃ですね)やトヨタ(創業者は別だけど創業当時からの出資会社)と東芝王子製紙でほとんどの利潤を上げているってのも、まあそんなに気にしなくてもいいような。あくまで三菱や、やっぱり鉱山寄りの住友と比べると、というような話ですよね、まあ赤字企業は問題にしろ、個々の問題だしなぁ。
もともと金融系だったはずの三井銀行が(多分むしろその個性のために)、相対的に弱体化して、結果的に資本が細り、新しい一旦離れた関係企業が戻ってきて、まあ畳むもの畳んで、どんどん入れ替えて他の金融機関も利用すればいいんじゃないですかね。
もう少し新しい分析も見たいかなー、三井って名前が貴重って思う人いそうよね実際。