「水危機 ほんとうの話」沖大幹

そもそも水はローカル資源であって、水資源が豊富なところで節水したところで誰にとっても利益があるわけでもないので(水道水を汲み上げている地域は一定数あるので電気の節約にはなるけど、と言ってましたが)、特に節水の必要はないよ? ということや。
水資源ビジネスで国外から資本が入ったところで「使ったらなくなる金属資源やエネルギー資源でもあるまいし、運送と分配する労力を払って対価を得るのに問題もないんじゃないかなぁ」ということが語られていたんですが、まああれだよね、ミネラルウォーターなどのいわゆる瓶詰め水を清涼飲料の一種として考えるのは確かにわかりやすい。
長く溜めておくことも出来ないし、運ぶことに一番コストが掛かるので独占も事実上不可能、もし将来水によって戦争が起こるとしたらあくまでも分配の権利を持っているかどうかじゃないのかな、という指摘にも納得。
それと、農作物や農牧に掛かる水を計算して、食糧の輸入をすることでその水の分を節約する、という考え方をする「仮想水」に関しても一定の参考にはなるものの、日本の場合はむしろ農地の節約と考えることも出来るのではないのかとも言われてまして複合的。
あくまでも水が足りない地域を助けるための手段として考えたほうがいいんだろうね。

この方、研究分野が水なのでダムの功罪なども聞かれたりするようですが、良いダムと悪いダムがあるよね、とざっくり。そういや産業別で掛かる水の産出をしたら自動車に水を使うという認定をされた方が怒ったとか、牛肉に水を使う算出に怒ったとか、牛肉もぐもぐと食べてたら周囲からなんで食べてんのとじろじろと睨まれたとか。
どうしても資源によって戦争が起こるという結論が欲しいと頑張られて、避けてたらマスコミに呼ばれなくなったよね、とか、いろいろお疲れさまな話でした。面倒だね。