「東山文化-その背景と基層」平凡社ライブラリー、横井清

いささかありゃ、こっちの資料にしちゃったのか…みたいな部分があったので初心者向けかっていうと微妙だし、踏み込みって意味では足りないし、みたいな気持ちにはなったんですが、足利義政(8代)に関しての内容はいいんじゃないでしょうか、あと、日野富子への批判が一切描かれてなかったので時空が歪まなくて助かりました…いや擁護して欲しいわけではないんだ、どう関係するのか説明出来ないのに無理に言及するの止めて欲しいだけなんですよね。
(というより、管領家督争いには関係してないよな日野富子…メリットないし。)
ただ、さすがに「東山文化」が浅いっていうより駆け足気味になってしまったのはちょっとどうかなぁ、と書いてるうちに別の部分に気分乗っちゃったのかもねぇ。
足利義政ってタイトルに変えて貰えなかったんでしょうか、サブタイトルでもいい。
そういえば、今参局って義政に悪影響を与えた女性として出てきているものの、愛妾説と乳母説とがあるのか、乳母説で読んでいたように思ったんですが、日野富子の男の子を死産させる呪いを掛けたと疑われたというエピソードに重点を置くと愛妾でもそんなに違和感はないかな、正直そこまで重要な違いって気もしないかなぁw

それとあまり意識しない7代の義勝(義政の兄)の死んだ前後の話、25歳くらいだったという話や、義教が暗殺されたのが音阿弥(猿楽、世阿弥絡みで時々名前出ますね)の前だったという話や、有力武将の争いに呼応するように民衆側の反抗の芽のような部分が描かれていたんですが、どうもやっぱり断片なんだよなぁ。ううん。
やっぱり義政がどのように育てられ、どのように政治から乖離していったかの経緯の本って読むのが素直なような気もするし、そういう意味だと細やかな内容だったな。