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『東京人』2013年05月号「いざ、歌舞伎へ」

昔から歴史趣味なのでどちらかというと伝統芸能色の強い能楽に関して調べていたことはあるのですが(こっちは室町だよな)、江戸の頃に最盛期を迎える歌舞伎にはちょっと食指が動かず、記事の中でたびたび述べられていた役者人気によって支えられていた時代や。
新しい歌舞伎の登場とその反発などの時代に関してもさっぱり覚えがなく。
どちらかというと建物の容量や高さを規制した「銀座ルール」に反していたけれど、歌舞伎座がたくさんの人たちを養っていかなくてはならないから、ということで特例として認められていたという具体的な話や。まるで新歌舞伎座の落成を引き換えにするような時期に続けて亡くなっていた名優さんたち、という外からのいささか無責任な印象だったのが、中の人たちにとってはやっぱり仕方ない時代の変化として受け入れられていたんだなぁ、という認識の違い辺りから理解していった感じかなぁ。

すごく個人的には時代の流れに乗り切れていないのではないかな、という多少の偏見みたいなものもないでもなかったんですが、当代絶対の人気役者が亡くなった時にも、名優の死は悼むべきことでも、歌舞伎のためには祝福されるべきこと、という言葉がわりと中枢の辺りから出てくる辺り、変化を受け止めているのだなぁ、と思えないでもなく。
新しい歌舞伎の演目に対しての反発や嫌がらせは好きな話題でもなかったんですが、どんなに否定されても否定されても、それでも新演目を作ろうとする人はいて、それは大抵外から来たんだよ、と言われるとその全体の構造を否定するのもなんだなぁ、という気もしないでもないんだよね。ある程度の若手や新潮流への否定がなければ、案外次の世代って育たないものなんじゃないかって気がすることが最近たまにある。
新歌舞伎座が出来たからじゃなくて、十分な変化を含んだ芸能だと思います、本当に。