「役に立つ植物の話-栽培植物学入門」岩波ジュニア新書355、石井竜一

そういえば昔、アメリカの大統領のドラマでアフリカの指導者が「かつての緑の革命を期待しています」ということを口にしていて、当時も確か興味を持って少し調べてみた記憶があるのだけれども、多少なりと専門的な本だと旧知のこととして扱われていて、当時のネットの情報にはまだ特に扱われてなかったんだよね。
ジュニア新書で数年振りにそこの記述に出会えたってのは、なかなか嬉しいことでw
大雑把に言うとこれは穀物類の品種改良によって収穫量を上げるということそのものを指しているんですね、一番最初で一番劇的だったものが小麦でこれによって当時の人口爆発(ある時点から急に消えたんだよなぁ、この言葉も)を乗り切るきっかけになったんだとか、現在も人口増加ということが言われてますが、発展途上国が先進国化して人口の減少を招く可能性もある、とも言われてて、かつてなら笑い話だったんでしょうが、実際中国やアジアの国にそういう傾向があったら楽観論だけでもないんでしょうね。
とはいえ、それでもカロリーベースで到底足りないとか、いや足りる、肉食を止めて穀物でエネルギーを取ればいいんだ、とか、まあいろいろ言われてますが。それは人口減少の要因になる経済発展とは逆方向だよなぁ、ううん、難しいのね。

穀物の他に主食となりうるトウモロコシ、ジャガイモに栄養価が非常に高い豆類からラッカセイ、意外と種類が多いんだね、なワタ。植物油が取れるナタネ(絞り糟に毒があったんだ知らなかった)、サトウキビ、お茶の葉、ゴム、等々ちょっとばらっと並んでますがそれぞれの栽培や歴史について、あくまで入門的に、とはいえ結構大人が読んで面白いよね。
C3植物とC4植物ってのは始めて知ったんですが、へー、こりゃ面白いな、非常に光合成の効率がいい植物種があり、その遺伝子をC3植物に組み込む研究もあるんだね。