「江戸の野菜-消えた三河島菜を求めて」野村圭佑

すんごく個人的に卑近な希望の話をすると、この本の巻末で出てきた江戸野菜のイラストと短文紹介をカードにして、東京各地の農協で産地に行くと手に入りますよ(裏は解説とお勧めレシピだな!)というダムカード的な展開にしてくれたら、かなり楽しいような気もしたんですが、なんというか基本オタク発想ですみません。
ところで気になるのですがこの方は結局、三河菜は手に入れられたのかそうでないかが気になってしまい、関係する辺りを読み返してみるもよくわからないというか、これ、最終的に伝統の記録の話そのものにシフトしちゃってるよね?
葛西菜という言葉を聞いたことがあったんですが(今の小松菜のことだと思ってたけど、この本読むとちょっと微妙かも、いろいろ細かい分類あるのね)、この三河菜も荒川沿いにあった菜っ葉の種類で、かつては非常に質が良いものと珍重されていたのだとか。

最近、たまに駅周辺や神社などを廻っていることがあるのですが、それがどういうものかはわからないながら変わった名前の野菜があったりするよね。
都営地下鉄の駅でたまに直売みたいな小さな売り場があったりするんだよ。)
なんていうのかなぁ、高いのはちゃんと理由があるんだろうし、と納得までは出来るんですが、正直なところ、説明されないとなんだかわからないというのがネックになって、ちょっと横目で見ながら通り過ぎるみたいなことしちゃってますね。
というのがこの本を手に取った大きな理由だったんですが、あれですね、江戸時代の食糧事情とは、それぞれの土地の展開、半ば洒落のようだった料理番付などなど。一つずつは興味があるものの、データだけぽんと投げ出されてもわかんないんだよぅ。
水運とか土地の違いなどの話のほうが理解しやすくて面白かったかも、惜しい。