「キノコとカビの生物学-変幻自在の微生物」原田幸雄

そもそもカビもキノコも生物の種類としては同じもので、有用菌と毒素を持つ菌も人間が勝手に別けたというか、あくまで人間の体質では(実は植物毒はそもそも人によって効いたり効かなかったりするものも多かったりします、許容量が人によって全く違うってのはわかりやすいんじゃないかな?)、という但し書きが付くということは知っていたんですが。
例えば豆の根のところにいる菌が窒素を土に固定化させる、とか、植物を元の土地から引き離してしまうとその植物と対応した菌が土壌に存在しないため枯れる、だとか。
元の土地では生じなかった病気が出てくる、とか言われると、「まあそういうものなんだろうな」と聞くに留まってしまうんですよね。その理屈部分には達しない。
というより、カビとキノコが同じと言われた時点で若干思考停止しますね、あれ自体が本体で全て菌の塊と言われても、色も違うし形も違うしw

ただ、冬虫夏草が虫の身体を少しずつ菌で置き換えていって元の形を残し、むしろ外殻が硬くなり保存されるというのと、稲のいもち病がほとんど正常な籾と見分けが付かず、その選別には非常に苦労をする、というのは続けて聞くと確かに似てるって気はします。
それがなんのために「元の形」を残すのかと言われるとわかりませんが…なんだろ。
松の木などの樹皮の病気は、土を貼り付けて巻いておくとだんだん治っていく、と言われていたものの、その治るために使われてるものは実際のところは生物を分解していき土に還す菌の別の働きに過ぎないみたいなんですよね。
多分カビやキノコや菌の働きというのは種類などによるんじゃなくて環境によっていて、葉緑素を持たないというところまでは共通しているものの、その養分の取り方は違うんだろうな、くらいの認識しか出来ないなぁ。キノコから栄養を摂るキノコもいるんだってw