「空から見える東京の道と街づくり」じっぴコンパクト新書146、竹内正浩

 

8本(というより、環状1号はどうも旧江戸城の内堀らしいので、7本ってカウントしたほうが正確なのかな?)の環状線の計画のうち、全通したのが環八のみ、そこまでに掛かった時間が80年で、環七なんかは一部普通のようですが、他の環状線に関してはある程度の長さがあったりなかったり、まあ非常に曖昧な状態になっているよね、という本。
都心から放射状に伸びる国道なんかはあれ、もともとあった街道が元になっていることあって比較的苦労も少なく作れたみたいなんですけどね(あくまで比較的)。
環状線に関しては一から計画されたようなので、本当に大変だったみたいですね。
そもそも最初に計画されたのが関東大震災の直前で、浮上したのがその復興計画、最近ぽちぽち後藤新平の名前とともに聞くこともありますがこの計画は縮小され。
続いては東京大空襲の最中の防空疎開地などの計画、これはほとんど実行されず。
戦後の復興計画に関してはGHQから「敗戦国に分不相応」ということで却下され。
まあ気付いたら延々と時間が経ってしまっていて、正直、道路関係の本だとわりとわかりやすい内容が多いんですが、道路を作るためにどんな犠牲でも払うべき、こんなにも美しいのに、とか延々語られてうんざりすることが多いんですが。
地図系のこの方の意見は、意義はわかるけど、さすがに落ち着いた街を壊してまで今更という気がする、ということになっていまして、私もそんな感じ。まあ、環七なら価値や意味はともかく、全通させたいという気持ちまではわかるけどね。

しかしなんだかばらばらとした地域の写真や工事前、工事後の変化、今建物が変な形に削れてるんだよ、などと述べてるだけの内容なんですが四散してしまった各計画には相応しい内容だったかなぁ、だってまあ、それが全てなんだもんな、どうしようもない。