「呪術と占星の戦国史」小和田哲男

タイトルが呪術と占星という内容だったのでもう少しオカルトな内容を期待してしまったんですが、占星も呪術もあくまで専門家のお仕事だったのね? という。まー、多分あれ、今よりも日付けに関しての忌避感覚が非常に鋭く、方向に関しても多少の拘りがあり、なにしろ戦をしているので供養に関してはそれなりに気を配っているものの。
正直なところ現代でも多かれ少なかれあるって言われたら、正直そう思います。著者さんはスポーツ選手のジンクスを挙げてたけど、金融関係の企業とか鉄道関係の企業とかの記録でもなんか明らかに日付け揃えてるの定期的に見るしなぁ。
それがそこまで呪術的なものとは限らないんですが、そんなこと言ったら戦国時代もそうよね、その時代でも単純な験担ぎでやってる人なんかも混ざってそう。
どうも織田信長にはその手の「迷信」に対してはかなり先進的だったイメージがあるようで何度か引き合いに出されていたものの、それでも神社仏閣への祈願はしてるし、と言われたら現代人でもしてるわ、と考えてしまい、正直なところそこまで特別なものに見えないんだよなぁw 千人塚なんてのも…個人的には現代戦でも作ったほうがいいと思う。

そして吉兆である鹿が現れたとか、烏が自軍から敵方に飛び去ったら勝てるなどの話は、実際のところそれを広めることに意味があり、戦記などに収録されている場合もドラマチックな出来事であるので実際にあったと信用が出来るわけでもないらしく。
まあそんなこんなを総合して考えると、今よりは確かに迷信深いな、というレベル。
あとどうも出版社がそういうタイトルにしたがったんじゃないかと思うけど、占星術に関してはあんまり詳しくなくて急いで突っ込んだみたいな短さだったなw
ともあれ、いつの時代も人間てそこまで変わらないな、といういい本でした。