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「明治維新の政局と鉄道建設」田中時彦

正直なところ、読み始めた時点では知ってることばかりかなぁ、と思ったんですが(鉄道の本って基本的にまず東海道線が完成した辺りまでを扱い始めること多いしね)、明治政府になる以前の幕府とアメリカの間で交わされた契約の詳細とか、そのためにアメリカが旧政権寄りの態度を取らざるをえなかったらしいとか。
あと、一番比重が重かったのってひょっとしてレイ借款に関してじゃないですかね?
これも鉄道前史的な位置付けでよく出てきていたものの、微妙にこのネルソン・レイという人物やその行動に対しての評価が違ってて気になってはいたんですよね。
大雑把に言うとこのイギリスの一私人である彼は英国大使に紹介され、大富豪の友人からの直接的な資金援助で100万ドルの資金提供をする、という話で日本と契約を交わしたものの、その後この資金取得が上手くいかなかったのかそれとも最初からそんな友人は実在していなかったのか(そこが評価の別れる一因かなぁ)、実際、どうとでも取れるような契約書を作っていて日本が口出し出来ないようになっていたそうなんですが。
日本政府は自分たちの経済事情が知られるのが嫌だから、と内密に、と頼んだにも関わらず、イギリスで公債として募集してしまい、そこで意見が割れたんですよね。
ただ、この場合のレイが背信行為をしていたのか、と言い切れるかというと確かに微妙。
あくまでも英国大使のパークス氏や、オリエンタル銀行が間に入ったためにことが上手く運んだってだけのような気もします。
若干日本のこと侮ってたのは事実っぽいんだけどね、まあその程度の話だよなぁ。

ちょっと残念なのがまだ面白そうなことがあるのに、レイ借款がかなり曖昧な展開だったのでそれに紙面を割かれて、新橋~横浜が開通したところで終わっちゃったとこかなw