「京都洛中散歩21コース」京都史跡見学会・編

基本的にだいたいこの手の本を読む人はそうだと思うんですが、なにも歴史雑学を手に入れるつもりではなくて土地の起伏やつながり、連続性に関して読めたらいいな、というのが動機なんですが(これ、自分が好きなコースを見つけるのが主題であって、一日多くても2コースがいいところだよね、回らないことを前提に書かれてるもんだと思う)。
ちょっと面白かったのが最近日本刀の本を読むようになって目にすることが増えた本阿弥家に関して、大坂夏の陣の1ヶ月後に徳川家康から土地を貰い、「京都七口鷹ヶ峰」に自分の町を作ったんだよん、などというのが極めてナチュラルに語られていたことでしょうか、そうか、土地にとっては結構な有名人なのかもなぁ。
新撰組とか政治家とか、陰陽師なんかがトピック立ってて、そっちはあんまり説明されてなかったんだよなぁ、なんか不思議な感じ。
あとはまあ、戦国大名みたいなものの関係がぽちぽち。

正直前に読んだ京都の庭園の本でもそんな感じだったんですが、小さな寺が結構な数集まってはいるものの、いわゆる有力寺院みたいなものは限られていて、そちらはむしろ奈良ほうにあるのか、あと応仁の乱がなにかの区切りとして語られているものも多い。
前から商業史に関して出てくる三条にあったという鎌座や釜座などの話が聞けたら良いな、と思っていたんですが、さすがに痕跡は残ってる様子はないか。
地名なんかにはぽちぽち残っていて、少しずつ職人が残っているようなことは言われているんだけども、土地の歴史の記憶として残ってるわけではないのか、それとも他所の人に対しての観光には向かないのかはなんとも言えないな。
山川出版社だったものの教科書寄りというよりはパンフレットに近いかな。