「地形で読みとく合戦史」谷口研語

ところすごく正直この本は全然面白くなかったんですが、その理由を大雑把に言うと連続した戦が地形によってどのような影響を受けたのか、ということを知りたくて(そうなると当然、戦略とか戦術とか出てくるしな)、手に取ったというのに「○○の地形に関わる戦の局面」の羅列でしかなかった部分ではないかと思うんですが。
でも、応仁の乱に関しては結構面白く読めたんだよなー。
要するにあれだ、この著者さんがそもそも中世の専門ってこともあるんだと思うんですが、あんまり知らない時代の戦だとその程度でざらっと紹介してくれるのも悪くないんだよね。なのに扱われてたのが主に源平と戦国時代だしなぁ、同じテイストならば細かい戦まで知られていない幕末のほうがマシだったんじゃ、と思ってしまったんですが。
ある程度知ってることを分析にまで至らずに表面だけで終了してしまった感じ。
ただし室町時代はそれでいい、というか、とてもいい! みたいな変な読了感でした、
なんというのか、面白くない本なんだけども、著者さんが悪いわけではなくて構造が最初からあんまり題材に適当ではなくて、さらに専門外だったんだなー、みたいな、面白くない本だったんだけども同著者さんが他になにを書いてるかはチェックしてました。
(もともとこの著者さんが目当ての人はいまいち、と思ってるみたいだけど、わかる。)
で、すごく残念なことに初心者本としてはちょっと要求される知識量多いんだよね、これ、同じ内容でも絵とか写真とかの多いムックだったら変わってたろうなぁ。

要するに山の場合はこう、橋の場合はこう、大きな戦は当然平野でしか無理なので有名な戦は平野が主になりますよね、みたいな、前提部分なんかは良かったと思います。いっそ時代順で並べてくれてれば良かったのになぁ。