「富山から拡がる交通革命-ライトレールから北陸新幹線開業にむけて」交通新聞社新書037、森口将之

富山から拡がる交通革命―ライトレールから北陸新幹線開業にむけて (交通新聞社新書)

富山から拡がる交通革命―ライトレールから北陸新幹線開業にむけて (交通新聞社新書)

 

 

鉄道マニアでもなんでもない友人がなぜかここの富山ライトレールに興味を抱いていて、なにかの機会に乗ってきたよー、と言っていて、正直に言えば数少ない地方交通の成功例として名前くらいは聞いていて、一応の北陸旅行の経験はあったものの、土地勘のない状態でこれだけ詰め込まれるのは正直辛かったかもなぁ。
大まかにこの富山ライトレールはLRTといういわゆる次世代路面電車として、わりと最近都市の救世主的に崇めたられているものの、まあまあ、そう上手く行くわけでもないよね、というのはこの本を読むとむしろわかりやすいような気も。
ただ、路面電車やLRT(ライトレール・トランジット)は走れる地形の範囲が結構意外と広い上(都内の都電荒川線なんて一部区間が「バス転換が不可能だったから」生き残ったんだよあれ)、スピードもかなり可変可能なので、都市計画の一環として取り上げること自体は個人的にそんなに違和感もありません。
あとヨーロッパではすでに一般的、という表現もそんなに好きじゃないんだけど、交通機関のみの採算性だけで考えると分がない話でも、別の経済利益のために補填するよということまで考えれば、すでに実例があるんだよね、というのも端的な事実だしね。

2014年には北陸新幹線が走り、その分断される路線をどうするかとか、経営が傾いた路線のてこ入れ、都市内に走らせる貸し自転車の整備や、その財源、そもそも富山という土地が中央に頼らず、地方が自分の力で活力を持ってこそ国が強くなる、という意識を連綿と持ってきた土地であるという話がされているんですが。
まあ一朝一夕で他所が真似出来るかって言ったら普通に無理だわなw
てか、黒部ダム系の本も読んでいたんですが、今の観光地仕様とはだいぶ違うね?