「江戸300藩 物語藩史 北陸・甲信越篇」山本博文・監修

 

んー、まあ悪い内容ではないんですがちょっとやっぱり前田家加賀藩に関してが物足りないかな、前に伊達家仙台藩を読んだ時もこんな雰囲気だったんですが(周囲から見て圧倒的に大きな藩なのに目立たない)、あちらでは家臣がそれぞれの領土を持ち続けて権力がまとまることがなかったって事情まで語られていたからだいたい納得したしなぁ。
あるいは徳川家ともみっちり縁組して、120万石とも言われるような領土を多少減らして100万石固定にしたからなのかもしれませんが、なんかいまいち影が薄い。
越前松平家(徳川家の親類が松平を名乗ってるわけですが)の福井藩でのほうがよっぽど加賀藩の印象が大きかったなぁ。
ただ、あんまり目立たなかったからこそ安泰で乗り切れたみたいなものなのかな。
近代史でもちょくちょく名前は出てくるものの、やっぱりそんなに意思が強いってわけでもないんだけどね、前田家がそんなものなのかしら、手堅いのかも。

それと中部にはあまり大きな藩が置かれなかった、と言われてるんですがこれはむしろ甲州街道(徳川の私道という扱い、大名行列4藩って言われてたしね)の周辺が直轄地だったっていう理由のほうがわかりやすいんじゃないのかな。
で、そこで長々と語られていたのが真田家だったんですが、すぐに転封されてしまう上田藩の章で出て来たので「真田ファン??」と思ってしまったものの、申し訳ないです、すぐ次の章の松代藩に転封されていたのならもともとの土地で説明してしまったほうが合理的だったね(そこの藩主の家を解説すること自体はちょいちょいあるので)。
てか、転封ってもうちょっと遠い土地にするものだと思っていたんですが、さすがに気を使ったんでしょうか、それでもやっぱり大変ではあったみたいだけどねー。