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『奈良市史』通史3

この巻は通史の中で最初に完成した、というのは図書館で検索している時点でなんとなくわかっていたんですが、通史2巻の終わりの辺りで松永秀久とその主家であった三好家との争いで東大寺が燃えてから(一応この巻にも言及はあるものの)、江戸時代を産業を中心にして語り、そこから幕末に若干の水戸学からの影響はあったものの、という程度で済んでいるところを見ると、この巻が最初に完成した理由はなんとなくわかるねw
主に語られていたのは名奉行だった人物とか(あれだけ語られてて任期5年なのかww)、「奈良晒」と呼ばれる織物の一種を代表する産業が少しずつ衰退していく様子と、その近辺事情とか、水戸藩から日本の歴史書を作るための資料を求めに来られたことはあったものの、主に寺の事情と共に歩んで来た関係上、さすがに水戸徳川家のコンセプトと合わなかったこと自体は仕方ないよね、とか全体的にそんな調子。

要するに、大坂や堺や京都などの外周の土地としてずっとあったってことなんだろうなぁ、主に観光地としてのアイデンティティを持つようになっていった、産業は利便性の高い土地であるためか早い段階で高い品質に至るものの、その後、地方による安くて高品質な製品が出てくると太刀打ち出来ない、ということの繰り返し。
正直最初の「奈良晒」の衰退を読んでいた時は組合の抵抗があまり好ましくは感じられなかったものの、むしろ奈良晒がそれよりも知名度の低かった各種産業の衰退したのちに、同じような構図で衰退を始めた、という時の絶望というか、抵抗の意識それ自体はあんまりわからないでもないなぁ…。
奈良が粗悪品の代名詞っていうと刀の「ナマクラ」なんてのもそうなんですが、まあ、うーん、やっぱり誰がどう悪いってわけでもないな、立地の問題なんだろうね。