「素顔の伊達政宗-「筆まめ」戦国大名の生き様」歴史新書y025、佐藤憲一

素顔の伊達政宗?「筆まめ」戦国大名の生き様 (歴史新書)

素顔の伊達政宗?「筆まめ」戦国大名の生き様 (歴史新書)

 

 

伊達政宗というとまず思い出すのが大河ドラマなのですが、なんか見ていてちょくちょくよくわからないエピソードがあったな、という記憶で、なにしろ幼少期なので勢いに任せて見ていたというか結構漠然と見ていたんですが。
思ってたよりもだいぶ史実に忠実だったんだな、というのが最近の認識です。
荒唐無稽には見えるものの、空也上人の生まれ変わりだの竜神だのという伝説が生前からあったってのは、結構その時点で大したことのような気もするww
死後に子孫が自分たちの身分を高めるために神格化するってことはよくあると思うんですが、なんかもう、家臣が片目を抉り出したとか弟を手に掛けたとか、実父を目の前で失っているとか、母親に毒殺され掛けたとか、バラエティ豊か過ぎるよマジで。
で、全体的に話を聞いていくと、弟は生きていたんじゃないかな、豊臣家に拝謁と臣従を迫られた直前という時期を考え、まだ嫡男もいない段階で殺すとは考えにくい、だとか、ただし実際に手に掛けたという記録は残っているのだとか。
母親の毒殺説も、実際にその事件直後に出奔したというわけではなさそうなものの、その後の噂が起こって居たたまれなくなったのではないか、とか。
上の家臣はまだ仕える主君に子がないうちに自分に子が出来たので我が子を生まれる前に殺そうとしてるような忠臣だったので、まあ、噂の一つも経つね、片目を抉り出しててもそんなに違和感ないね、みたいな。
検証してもあんまり伝承と印象が大差なかったです。

が、やたらと懐こくて筆まめで、女仮名で上の家臣に手紙書いてたりとか、酔っ払うと酷いとか、ドラマのほうがまだリアリティあった気がする、あれ。