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『日本の美術54 城』日名子元雄・編

まあ正直、あくまでこういうテーマの雑誌なので見た目に主に特化していてあんまり踏み込んだ話はなかったというか、分類という意味だと廃城の本がピカ一だったしなぁ、とはいえ、なかなかジャンルが定めにくいものを広く取り扱ってくれるという姿勢と考えると私が読んで面白くなかったからってどうこう言うものでもないですね。

ていうか、昭和45年のご本なので、すみません、なんかもう、全然、最新研究まで読んでてもきちんとまとまっているというか、非難する筋合いなかったね!?
とはいえ、本の結びでも軽く触れられているように、残っているものを見てもなにがわかるというものでもないのでまず学んでから行かないと意味がないよ、という忠告があったり、基本的に芸術関係だととりあえず実物見てそこからなにを感じたかが重要で、と繰り返し言われているのでちょっと新鮮でした。
というより、このジャンルの人って『廃城をゆく』でも感じたんですがなんか上品ですね、どうしても作られた当時の姿を留めておくことがなく、その後の明治にも昭和にも戦中にも戦後にもなんらかの形で失われたり、元の原型を留めない形で「復元」されていることが少なくないんですが、そこに対してそれもまた仕方のない流れとして受け止めてるというか、城の性質によるのかもしれないなぁ。

まあ、現存天主がどうとかどの城がどうとか、という話も後半にあるのですがまずは城というものがもとは軍事拠点であり、そもそも城という言葉そのものもいつからあったのか古代にあったようだがだいぶ曖昧な用法だとか。
天守閣や門などというものも所詮近代のだいぶ後のものであり、見せるためのものであって本質ではないとかね、わりと面白かったかな、やっぱり上品だよね。