「織田信長・豊臣秀吉の刀剣と甲冑」飯田意天

タイトルはこんな感じになってますが、信長や秀吉を筆頭に近い時代の武将の武具に関しての本で、正直なところすごく見やすい読みやすい本でした、ただ、この時代の資料がこんなに綺麗にまとまっているわけはないので…もうちょっと原典を出してくれたり、異説を並べてくれたりすると、うううん、読みにくくなるかなぁ、悩ましい。
私は個人的に失われてしまったとされている(記録がなくなってどこにも存在しない)薬研藤四郎という刀の押形を見るためにこの本を借りたのですが、内容が若干古い、いや、刀の部分ではなくて武将の部分がなんだかもう古い。
だいぶ古い本なのかな、と判断していたらば2013年の刊行でした。
…戦国時代の研究は日進月歩だからなぁ、ジャンルがズレてると仕方ないことはあるか。
ただ、全体的な作りとしてはもとがばらばらの資料になっているものが横軸で並べられていて、武将単位で扱っているのも自然に理解しやすい。
どっちかというと資料が混乱しているのが文字資料なんだろうなぁ、あと気になったのが秀吉時代の刀の本で薬研藤四郎が筆頭に出てくる。
本能寺焼失説ってのがあって、これが否定されてることも多いんですが、なるほど、さすがにこれは無理もないかぁ、としみじみ。
とはいえ、重要度が低い刀ならともかく、それならそれ以降いつの間にか消えるなんてこともないような気も逆にしちゃうんだよねー。

 

刀に関して感傷的な言い方やわりと詩的な語りがあったりもしたんですが、そっちの意味ではあんまり気にならなかったな、とりあえず少なくとも長い時間を越えたものが結構な数残ってるんだもんなぁ、特別なものだったと見てもそんなに違和感はないよね。