「戦国 三好一族―天下に号令した戦国大名」今谷明

この本の中で「堺幕府」というものが出てきて要するに京都から追い出された足利家(足利義維)が4年ほど機能させていた臨時政府らしいんですが、そのことを全然知らなかった、を通り越してそもそもこの時代に大きな出来事があったということすら全く触れていない本が多く、足利家は消滅するし、三好家は何人いるのか把握出来てないし(名前変わるんですよあそこ…)、細川家は専横であるのだろう多分、というような曖昧極まりない本を結構な冊数読んでいたんですが、この本は曖昧なところはありませんでした。
記述の混乱による間違えはあるかもしれないけど、その誤りも個別で指摘されれば済む程度のものしかなさそうです。
正直、あまりにもややこしい時代だと思ってましたが、どうも記述のあまりのすっぽ抜けが主な要因のようです、この本は、ぐるぐる中心人物が変わるのでややこしくはあったもののだいたいどういう勢力の争いがどのように推移してくのかわかったしなぁ。

 

三好家というのは阿波細川氏(そもそも都を追い出された足利の血筋が身を寄せた土地)の家臣だそうで、徐々に実力によって台頭。
そして細川氏、足利氏との争いを経て室町幕府をも牛耳った、という辺りでだいたい一瞬だけ三好長慶が歴史に登場し、気付くと「三好三人衆」という存在になって13代の足利将軍である義輝が暗殺されて織田信長が登場、という歴史が始まるわけですが。
松永秀久氏も、この三好家に関わる存在だとそこまで魔術師っぽくないですね。
(そういう伝説もあるみたいです、何回か見たことが。)
普段私たちは一体この時代に関してなにを読まされてるんだろう、いや、戦国武将以外に興味がない人がいるのもわからないでもないものの…ゲームならいいのよゲームなら。