「NHK さかのぼり日本史(4」明治「官僚国家」への道、佐々木克

正直なところ「官僚」という専門知識の持ち主がなぜ必要とされたのか、その人材を最終的には国内で育成していくことにしよう、という流れの本ではあったんですが…。
ど素人として退けられていた人たちが国外で高等教育を受けていて、その「ど素人」という判断をしたのが維新の三英傑という段階で…その。
え、いや、知識ある人いるよね?
というか、確かにアドバイスが全く役に立たなかった事情そのものはわかるんだけども、相手の主張内容がごく真っ当な判断であるということを(要するに丸呑みにする自己判断することが出来ない相手へのアドバイスとしては不適当だった)、念頭に置くとこう。
高等教育を受けた知識人ではなく、専門知識のみしか持たない道具としての「官僚」が必要だったので海外に頼るわけにはいかず、国内で育成する以外になかった、という感じの結論になってしまったので正直だいぶ暗い気持ちになっていました。
いやまあ、新政府と揉めた人らって何人か出てきてましたが、だいたいあの辺。
外交の森有礼とか、大隈重信の北海道の官地の払い下げに絡んだ問題とか、別の側面からの事件を見ていた時に展開が全く意味がわからなかったんですが、よくもまあ、あんなにも一方的に断罪することが出来るもんだなぁ、と正直こう…。
それが当時の新政府の見解だったんだよ、という意味ではわかりやすくはあったけどね。
 
結局のところ誰がいいとか悪いとかではなく、能力ではなく「功績」と下手すると生き残りという偶然の要素で政治が行われることによって数人が行政を掌握しなくてはならず。
それなりにいた高等教育を受けた知性の持ち主を生かすことすら出来なかった、そのため、みたいな感じの展開ですね、うん、現状ともよく合致する。本とはなんか違うけど!!