日本近代史

「回り道を選んだ男たち」小島直記

回り道を選んだ男たち (新潮文庫) 作者: 小島直記 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 1990/05 メディア: 文庫 この商品を含むブログを見る 本の中で出てくる『レイテ海戦』に関しての語り口を聞いていると従軍経験がある世代で、この本が刊行されたのが平成2…

「福澤諭吉と大隈重信-洋学書生の幕末維新」日本史リブレット人076、池田勇太

福澤諭吉と大隈重信―洋学書生の幕末維新 (日本史リブレット) 作者: 池田勇太 出版社/メーカー: 山川出版社 発売日: 2012/05 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る もともと私、この本を手に取ったのは大隈重信が目当てだったんですが、なぜかという…

「お金から見た幕末維新-財政破綻と円の誕生」渡辺房男

お金から見た幕末維新――財政破綻と円の誕生(祥伝社新書219) 作者: 渡辺房男 出版社/メーカー: 祥伝社 発売日: 2010/10/30 メディア: 新書 購入: 4人 クリック: 16回 この商品を含むブログ (1件) を見る そういえばこの前に「明治六年政変」を読んでいて円…

「明治六年政変」毛利敏彦

鉄道史を読んでいた時に明治5年に最初の(新橋-横浜の)路線が開業したものの、明治6年の段階で三菱の意向を受けた政治家の主張にて鉄道資金が既存の建設路線以外で凍結され、資金が海運の設備へと回された、ということを読みまして、ただそれ以上が語ら…

「政商の誕生-もうひとつの明治維新」小林正彬

この手の本を読んでいると正直自分の贔屓対象に甘く、そのライバルに対して厳しく、ということがあるんですが、最後まで読んでも特にどこ贔屓なんだかわからなかったんで別にいいんじゃないかしら。てか三菱メインなんですね、ああ、確かに三井にキツいこと…

「歳三往きてまた」秋山香乃

歳三 往きてまた (文春文庫) 作者: 秋山香乃 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2007/04 メディア: 文庫 購入: 3人 クリック: 21回 この商品を含むブログ (15件) を見る 人が勧められていたのを見たので3部作の3冊めだったのを知らずに手に取ってしまった…

「外貨を稼いだ男たち-戦前・戦中・ビジネスマン洋行戦記」小島英俊

外貨を稼いだ男たち 戦前・戦中・ビジネスマン洋行戦記 (朝日新書) 作者: 小島英俊 出版社/メーカー: 朝日新聞出版 発売日: 2011/02/10 メディア: 新書 この商品を含むブログ (5件) を見る どちらかというと初期の金融史や、財閥や小さな商会などの話が知り…

「復興建築の東京地図」別冊太陽 太陽の地図帖010、松葉一清

復興建築の東京地図 (別冊太陽 太陽の地図帖 10) 作者: 松葉一清 出版社/メーカー: 平凡社 発売日: 2011/10/27 メディア: 単行本 クリック: 1回 この商品を含むブログを見る 現在も復興公園としての姿を残している元町公園というのは、都市計画の講義などで…

『美の巨人たち』P・ブリュナ/E・バスティアン「富岡製糸場」

この富岡製糸場というとかつて官営として作られてのちに払い下げをされたものの、最後に買い取った企業が偉くて特に手を入れることなく保存していたらしく、最近になって世界文化遺産認定を受けたよー、という大逆転をしたところとして有名なんですが。個人…

「日本陸軍20大決戦-西南戦争から沖縄戦まで」太平洋戦争研究会

日本陸軍20大決戦 (PHP文庫) 作者: 太平洋戦争研究会 出版社/メーカー: PHP研究所 発売日: 2008/01/07 メディア: 文庫 クリック: 1回 この商品を含むブログ (2件) を見る そもそも最初に挙げられていた西南戦争の時点で(維新の立役者である元薩摩藩士の西郷…

「明治国家をつくった人びと」瀧井一博

この本、というか、この著者さんはもともと“文明史”とでもいうようなフィールドワークを持ってらして(私も文明史のほうがいいタイトルだと思います)、多分最初からそのつもりというか、その覚悟で読んだほうがいいような本ですね。著者さんが中公新書でこ…

「日本海軍がよくわかる事典-その組織、機能から兵器、生活まで」太平洋戦争研究会

日本海軍がよくわかる事典―その組織、機能から兵器、生活まで (PHP文庫) 作者: 太平洋戦争研究会 出版社/メーカー: PHP研究所 発売日: 2002/07 メディア: 文庫 購入: 1人 クリック: 2回 この商品を含むブログ (4件) を見る んーと、陸軍から、と言ったら正確…

『明治大正図誌9 東海道』

大判の、モノクロ写真を主にした本で、1~3巻が東京、他にも大阪や京都などがある関係上、関東西部+東海、といった風情の本かな。地域以外だと中央道、日本海、瀬戸内などもシリーズにありますね。 で、この本を読むまで特に認識したことはなかったんです…

「陸軍省軍務局」昭和軍事史叢書、上法快男

正直なにが読みたかったのかというと、明治から大正に掛けての軍の有り様だとか(軍隊そのものが知りたいんじゃなくて、一般社会に対しての影響力がどの程度あったのかのほうを知りたかったんですね)、軍港や鉄道などへの関与に関してだったのだが、どうも…

「横浜の近代-都市の形成と展開」横浜近代史研究会/横浜開港資料館・編

そもそもなんで横浜を関東(実際には東日本での、だよね、比肩する港はだいたい西寄り)での玄関口にしたかというと、当時の横浜が寒村の漁港でしかなかったから、というのが身も蓋もない事情のようなのですが、あと、どうも東京と境界が曖昧だったり(多摩…

「関東大震災・国有鉄道震災日誌」老川慶喜・解説/鉄道省

そもそも当時は東京駅が完成したあとくらいかな? 解説では明治40年に国鉄私有化が完了して(17社の最初のやつ)16年目、などと言われてたのですが、確か省線内の「大家族主義」みたいなのが推進されたのって関東大震災の前のことじゃなかったかなぁ、…

『先人たちの底力 知恵泉』西郷流!こじれた人間関係解消法(後編

この回は薄らぼんやりと去年の大河『八重の桜』と、のちの西南戦争に関してのことを考えながら見てたんですが(なぜかというとすごく端的に、そこでの西郷隆盛が「不満は全部持っていく」と度々口にしていたからなんですよね)(あくまでもドラマだよもちろ…

『先人たちの底力 知恵泉』西郷流!こじれた人間関係解消法(前編

正直この回に出てきた経営者の方がご自分の過去を話し出された時に「え、西郷隆盛の話じゃなくてこの人の話するの?」(前に見た回で経営者ならではの視点で語っていたのはともかく経験? と考えてしまったんですね)と考えてしまったんですが、現地で知り合…

「日本近代史」坂野潤治

日本近代史 (ちくま新書) 作者: 坂野潤治 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 2012/03/05 メディア: 新書 購入: 7人 クリック: 116回 この商品を含むブログ (35件) を見る この一つ前にほぼ同じテーマの(まあこっちは幕末から扱ってるんですけども)『政友…

『美の壺』選・横浜 後編

この回は前回と打って変わって横浜の伝統工芸、と言ってもあくまでも西洋の洗礼をいち早く受けることになった横浜で生まれた独自の文化、というより欧米と日本の産業の相の子のような工芸品について、でしょうか。 正直横浜家具だけを美術の番組で聞いたこと…

「鉄道と近代化」原田勝正

アジアではほとんど「植民地の鉄道」として作られていた鉄道が、日本では初期に確かにお雇い外国人の存在が強くあったとはいえ、なぜ比較的にスムーズに発展してったかというと、エドワード・モレル氏や良心的な技術者(ところでなんで日本に骨埋めてくれた…

『美の壺』選・横浜 前編

前になにかの機会に「ジャック、キング、クイーン」の三つの塔の建設目的は全く謎である、という説明を聞いたことがあったんですが、へー、近代に入ってから作られたのにそんなこともあるものなのか、とわりとしたり顔で納得してた私の立場ww もともと山の…

「政友会と民政党-戦前の二大政党制に何を学ぶか」井上寿一

政友会と民政党 - 戦前の二大政党制に何を学ぶか (中公新書)作者: 井上寿一出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2012/11/22メディア: 新書購入: 2人 クリック: 9回この商品を含むブログ (10件) を見る 面白く、はなかったのですが、とりあえず金解禁を行っ…

「神奈川県の百年」県民100年史14、高村直助

もともと鉄道関係で、この地域の事情も地元(東京西側)と関係してくるよん、という程度の動機で読み始めたということもあるのですが、とにかく頭に全く入ってこず、せいぜい1章とか2章も読むと集中力が切れる、ということを繰り返していたんですが、要は…

「関東大震災と鉄道」内田宗治

関東大震災はその名前そのものはわりと知られているものの、私の世代ならともかく10も下だともう発生日知らないような子もいまして(9月1日の防災訓練をなんで?? と不思議がってました、教養の問題じゃなくて単純に親世代から聞いてないんだろうなと)…

「世田谷代官が見た幕末の江戸 日記が語るもう一つの維新」安藤優一郎

世田谷代官が見た幕末の江戸 日記が語るもう一つの維新 角川SSC新書作者: 安藤優一郎出版社/メーカー: 角川マガジンズ発売日: 2013/05/10メディア: 新書この商品を含むブログを見る 新宿駅から歩ける範囲、渋谷区に住み、生活圏に世田谷区(歩いてると普通に…

「首都防空網と〈空都〉多摩」鈴木芳行

首都防空網と〈空都〉多摩 (歴史文化ライブラリー)作者: 鈴木芳行出版社/メーカー: 吉川弘文館発売日: 2012/11/20メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る 多摩というのが具体的にどこかというと(近隣だと多摩ニュータウンなどは聞いてる気もし…

『東京人』2012年01月号「軍都東京の昭和」

あれ、2012年って太平洋戦争から開戦70周年なのか…正直そう何年も通してやってた戦争って数がないからあんまりピンと来ませんが(中国との「15年戦争」は象徴的な意味でもあるので、まあ軍隊いるっていうか進軍してたけどな)。 と思ったら1941…

『先人たちの底力 知恵泉』新規プロジェクト必勝法「前島密」

最近明治関係の本をあれやこれやと読んでます関係で、映像だと手間がないよね、という意味で見てみたこの回なのですが、郵便事業の立ち上げに関わった方、という認識でいいんですよね。これ、で、昔1回だけ名前を聞いたことがあるのがあれです、「風水の法…

「甲斐と甲州道中」街道の日本史23、飯田文弥

甲斐ってのは現在の山梨で、さて、なんでかつての“国”とほぼ同じ領土を保っているこの地が山梨という一部地域の地名を県名としなくてはならなかったのか、ということが語られていたんですが、うーん、あくまで直接反抗していたというわけでもないからなのか…