東京史

「地図で読む東京大空襲-両国生まれの実体験をもとに」菊地正浩

わりと最近語られるようになった東京大空襲の側面として、どうもアメリカ側は関東大震災の被害地図を元に無差別攻撃の目標地域を決めていたのではないか、と推測されていたことを思い出しながら読むことになったんですが、この著者さんのお母さんやお爺さん…

「空から見える東京の道と街づくり」じっぴコンパクト新書146、竹内正浩

<カラー版>空から見える東京の道と街づくり (じっぴコンパクト新書) 作者: 竹内正浩 出版社/メーカー: 実業之日本社 発売日: 2013/03/14 メディア: 新書 この商品を含むブログを見る 8本(というより、環状1号はどうも旧江戸城の内堀らしいので、7本って…

「多摩の歴史(1 武蔵野市/三鷹市/保谷市/田無市」松岡六郎/吉田 格・編集

武蔵野市はまず中央線の「武蔵境」の駅が最初に出来ました、田無が府中町と結託して駅を拒否したので、ということが説明されていたんですが、この辺のどうだったんだっけ、駅単位だとそんなにありえないわけでもなかったかなぁ。武蔵境駅が寄付によって成り…

「多摩川物語-上・中流七十年史」根岸律男

実際の多摩川流域はちょっと遠くて、私が認識してるのが京王線と沿っている部分府中から調布くらいまでの辺りなんですが、この「調布」というのがそもそも多摩川流域には3箇所あるんですよね(実際に布に関わっていたところらしいですが、ちょっとその関係…

「新宿区の歴史」東京ふる里文庫2、新宿の歴史を語る会

全23冊のシリーズで、第1巻が練馬で第2巻が新宿、すごく大雑把に1巻は学術的な内容だったんですが、2巻は通俗的な内容が多く、なんで違うんだろう、と考えていたんですがその辺は著作担当の「練馬郷土史研究会」と「新宿の歴史を語る会」の違いかな、…

「江戸東京歴史散歩(1 都心・下町編」江戸東京散策倶楽部

本を読み終わってまとめようとして、ついスタート地点を東京駅、と考えてしまったんですが、江戸の本でしたね、今の皇居、かつての江戸城跡地でしたっけ。正直皇居って修学旅行でしか行ったことがないんですが(もともと東海にいたので)、江戸城の跡とか見…

「建築探偵の冒険 東京篇」藤森照信

建築探偵の冒険〈東京篇〉 (ちくま文庫) 作者: 藤森照信 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 1989/12 メディア: 文庫 購入: 7人 クリック: 55回 この商品を含むブログ (18件) を見る すごく正直に言うと著者さんと建築にまつわる人との会話がところどころに…

「練馬区の歴史」東京ふる里文庫1、練馬郷土史研究会

江戸の頃にそもそも八幡神社と稲荷神社以外には制約があったのだとか(あくまで新しく作る場合でしょうね、しかし八幡って地名多いと思ったよ)、この地域に中山道の板橋宿や甲州街道の高井戸宿の助郷が指定されていて、馬の供出が結構な重圧だったろうなぁ…

「東京古道散歩」荻窪圭

東京古道散歩 (中経の文庫) 作者: 荻窪圭 出版社/メーカー: 中経出版 発売日: 2010/05/04 メディア: 文庫 購入: 4人 クリック: 13回 この商品を含むブログ (5件) を見る 東京の「古道」と言われるとまあまずちょっと詳しい人だと日本橋を基点にした江戸5街…

「復興建築の東京地図」別冊太陽 太陽の地図帖010、松葉一清

復興建築の東京地図 (別冊太陽 太陽の地図帖 10) 作者: 松葉一清 出版社/メーカー: 平凡社 発売日: 2011/10/27 メディア: 単行本 クリック: 1回 この商品を含むブログを見る 現在も復興公園としての姿を残している元町公園というのは、都市計画の講義などで…

「劇場都市 東京オペラシティ物語」LOK・編

編者にある“LOK”ってなんだろう? と思って奥付を見てみたらエージェンシー・ルクス/小田急エージェンシー/京王エージェンシーと並べて書いてあったので、ううん? わかったようなわからないような、正直隣の駅のところにある日ぽん、と出来たオペラシ…

「多摩川水流紀行」大内尚樹

ものすごい我の強い文章です、あと、環境問題に関しての語りがしばしば適当です、新潟生まれの東京の下町育ちだそうです、自分の周辺の土地や、よく見ているものや接した人に対しての物の見方はごく素直でそういうことだけ語っているとけして悪い内容ではな…

『東京人』2013年09月号「東京の玄関口を旅する」

東京人 2013年 09月号 [雑誌] 出版社/メーカー: 都市出版 発売日: 2013/08/03 メディア: 雑誌 この商品を含むブログを見る 扱われているのは表紙の写真にも出てくる東京駅と、羽田空港、県外にあるためかむしろその壮絶な歴史なためかいささか扱いが控え目な…

「水路をゆく」イカロス・ムック

とりあえず今の時点で私が興味があるのが多摩川水系と、あと荒川と隅田川などの構造物と(対策関係で結構がっつり話を聞いたので)、かつての用水路跡地などの暗渠、江戸城のかつての外濠の痕跡、それとまあせいぜいが銀座などの橋の話くらいでしょうか。意…

「〈渋谷〉の神々-ターミナル都市に息づくカミとホトケ」渋谷学ブックレット3、石井研士・編

この“國學院大學渋谷学研究会”というのが発行元ということでいいのかな? よく見たらそもそもこの本値段もISBNコードも付いてないんですね(渋谷区内の図書館に所蔵されていたので借りたものなんですが)。まずそもそも渋谷というのはどこを指すか、とい…

「多摩川絵図 今昔-源流から河口まで」今尾恵介

多摩川ってのは大雑把に東に荒川・隅田川があって西に多摩川があって、という、水路が埋め立てられたり川が蓋をされたりしたせいもありますが、東京都の2大水系の一つであることには変わりなく、大雑把に武蔵野台地を作ったのも多摩川。かなり流域変えてき…

「内藤新宿」都史紀要29、東京都

日本橋から甲斐、甲州に向かう道(まあ今の山梨です)の一番江戸市内寄りの宿場街だったのがこの内藤新宿で、もともとはもう少し遠い上下の高井戸宿が一の宿だったのが、不便ということで新設されまして、新しい宿であるから「新宿」、当時はよくある地名だ…

「東京の都市計画」越沢明

東京の都市計画 (岩波新書) 作者: 越沢明 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 1991/12/20 メディア: 新書 購入: 2人 クリック: 8回 この商品を含むブログ (16件) を見る ちょっと期待していたところと微妙に範囲が違ったんですが、まあ言うほど離れてるわけ…

「写真と地図で読む!帝都東京・地下の謎」秋庭俊・編

すんごく大雑把に地下水路で水が出ることはなにも戦前の建設でなくてもわりと当たり前であってわざわざ排水のためにトンネルに傾斜を付けてるのは標準だし、戦時中の地下鉄建設がなかった、という大前提で語っておられたんですが、私普通に戦時中の建設の話…

「地図物語 地図と写真でたどるあの日の銀座-昭和26年から30年代の思い出と出会う」佐藤洋一/武揚堂編集部

あの日の銀座―昭和25年から30年代の思い出と出会う (地図物語) 作者: 佐藤洋一,武揚堂編集部 出版社/メーカー: 武揚堂 発売日: 2007/09 メディア: 大型本 クリック: 6回 この商品を含むブログを見る 銀座に関しての本は地味に数を読んでいて、東京の中心地の…

「モール化する都市と社会-巨大商業施設論」若林幹夫

わりと名高い玉川高島屋SCにはついこの間事情があったのでついでに寄って、新宿などのごてごてと詰め込まれた空間に慣れていたので歩くの面倒い、と思いながらわりととっとと離脱してしまったのであんまり良い印象もなかったのですが。あの土地の人には新…

「明治・大正・昭和 東京時空散歩」竹内正浩

明治・大正・昭和 東京時空散歩 (洋泉社MOOK) 作者: 竹内正浩 出版社/メーカー: 洋泉社 発売日: 2013/08/23 メディア: ムック この商品を含むブログを見る 鉄道の本などで定点観測という写真をメインにした本をたまに読むことがあるのですが、これはいわばそ…

「豊多摩郡の内藤新宿(19世紀末の)」新宿区立図書館資料室紀要2、東京都新宿区立図書館・編

とりあえず内藤新宿(内藤家が元の土地の所有者だから愛称みたいなものですね)というのはもともとの村だった四谷の外側にあり、さらにその一種の繁華街として存在していた内藤新宿の外側に今の中央線や山手線の駅(名前違うしまだ全然短いけど)があったん…

「東京スタディーズ」吉見俊哉/若林幹夫

大久保の韓国料理屋の並ぶ通りや、池袋にある小さな中華街に関して聞くようなことが増えたのは多分関東周縁部に住む友人経由で、歩いて行けるような土地にあった大久保の街をテレビで聞くことがあっても聞き流すような生活を送っているわりと普通の東京者。…

「いのちの川-魚が消えた「多摩川」の復活に賭けた男」山崎充哲

本の冒頭で心筋梗塞寸前でぶっ倒れ、その時に見たのが三途の川ならぬ多摩川のかつての姿だったという著者さんは、なんというかそれで「ぶっち切れた」のかそのあとなんかずっと怒ってましたw 基本的にとても基本理念そのものは冷静だとは思ったんですが、世…

「東京の「年輪」発掘散歩」言視BOOKS、川副秀樹

東海道、甲州街道、中仙道、奥州街道と日光街道(途中まで一緒ですね)というのは、東海道は言うまでもなく現代も鉄道にも名前が残る大幹線。甲州街道は大名行列が3藩という、徳川の私道のような位置づけだった特殊な道。 中仙道は女性向けで、いくつか京都…

『東京人』2013年05月号「いざ、歌舞伎へ」

東京人 2013年 05月号 [雑誌] 出版社/メーカー: 都市出版 発売日: 2013/04/03 メディア: 雑誌 この商品を含むブログを見る 昔から歴史趣味なのでどちらかというと伝統芸能色の強い能楽に関して調べていたことはあるのですが(こっちは室町だよな)、江戸の頃…

『東京人』2012年11月号「祝!東京駅復原 丸の内を歩く」

もともとこの土地は江戸城の内部だったらしいのですが(丸の内、ね)、それがどうして三菱に払い下げられた時点で原っぱだったのかは今の私にはよくわからない。でもなんか今も人工的な気はするかなぁ、オフィス街の中にそれでもちょっとずつ飲食店も出来て…

『東京人』2012年08月号「東京地形散歩 凸凹を遊ぶ」

正直最近この手の東京の凹凸地形本や、暗渠本なんかをぽちぽちと読むようになっているんですが、微妙に流し読みしているというか、どうしてもそれそのものが面白いわけじゃなかったんですが、この号を読んでこれをまとめていて気付いたんですが、私の場合、…

「都市デザイン」シリーズ後藤新平とは何か-自治公共共生平和、後藤新平

そもそも自治体の長に都市計画についての見識がある人間が付く確率は非常に低く、そういう意味で幸福なパターンはほとんど世界レベルで記録に残されている、というのが正直なところなのですが、日本での都市計画で一番知られている人というとこの後藤新平。 …