「和歌とは何か」渡部泰明

すごく大雑把に言うと平安後期くらいから鎌倉時代も多分継続していたのだろう文化サロンに関してを読みたいなー、という目論見で借りて来てたんですが、どっちかというと和歌のしきたりや形式がメインだったかなこれ。 ただ、その形式を理解するために文化サ…

「法然対明恵」町田宗鳳

鎌倉新仏教という括りを最近改めて読み初めまして(結構昔、宗教関係をぱらぱらと読んでる時に多少なりとは手に取ってはいたものの、いまいち掴めないままでした)、それでまあ、一番最初に位置する法然さんという人物に現在興味があるのですが、この人が浄…

『権力の館を考える '16』#3「天皇を守る館」

前回はどうにもきちんと見れてなかったんですが、ああこの講義、毎回毎回訪問するんじゃなくて配置図でだいたいの把握をすることも多いのか…。ちまちまとトリビアめいた話が差し挟まれてはいるものの、図で説明するのはそんなに面白くはないからあんまり細か…

「通貨の日本史-無文銀銭、富本銭から電子マネーまで」高木久史

あまり細かい歴史そのものには興味がないのでだいたいの概要をざっと捉えていたものの、うーん、やっぱり皇朝十二銭のあとに硬貨が発行されなくなっていた理由が微妙というかいやそもそも、この貨幣がそもそも流通貨幣として作られていたというわけでもない…

「将軍権力の発見」選書日本中世史3、本郷恵子

前に同じ著者さんで中世における庶民の買い物を扱った本と、それと『怪しいものたちの中世』を読んだんですが、非常に視野が広くて面白いんだけども、考えてみるとあれだ、扱ってるものの内容のわりにいまいち土地という単位での認識が薄いのかなー、とふと…

「浄土真宗はなぜ日本でいちばん多いのか-仏教宗派の謎」島田裕巳

浄土真宗はなぜ日本でいちばん多いのか (幻冬舎新書) 作者: 島田裕巳 出版社/メーカー: 幻冬舎 発売日: 2012/02/29 メディア: 新書 購入: 5人 クリック: 85回 この商品を含むブログ (23件) を見る 正直これ自体が現代を志向しているタイトルに見えたのであん…

「関東戦国史と御館の乱-上杉景虎・敗北の歴史的意味とは?」歴史新書y013、伊東潤/乃至政彦

関東戦国史と御館の乱 ?上杉景虎・敗北の歴史的意味とは? (歴史新書y) 作者: 伊東潤,乃至政彦 出版社/メーカー: 洋泉社 発売日: 2011/02/05 メディア: 新書 購入: 1人 クリック: 4回 この商品を含むブログ (4件) を見る 2016年の大河で大層な善人とし…

「院政-もうひとつの天皇制」美川圭

平安後期に摂政関白の制度に限界が来て(いい加減に藤原氏の専横に嫌気が差した、と説明されてますが、それで上手く回ってたら付け込む隙はないわけだしね、弱体化したので逆転されたっていう認識のほうが自然かも)、院政という若干特殊、というより遠回り…

「戦国仏教-中世社会と日蓮宗」湯浅治久

鎌倉新仏教とかつて呼ばれていたものが否定されて、という説は聞いたことがなかったように思ったものの、よく考えてみると「一度そう呼ばれなくなったものの、その後また復活して最近は呼ばれ直している」みたいな経緯に関してがこれかな?要するにあくまで…

『権力の館を考える '16』#2「三権の館」

相変わらず国会議事堂に触れていたところしか思い出せないのですが、あと、一度打ち掛けていた文章が夏恒例のブルースクリーンで一旦途切れているのですが、わりとこう、謎の古代ギリシャめいた建築であるってのは同意。で、この国会議事堂はなんでも国会が…

「北条氏と鎌倉幕府」細川重男

大雑把に北条氏の権力構造に関してを語る、という体裁だった気がするんですが、読み終わってから北条義時と北条時宗以外の印象が残ってる人がいるんでしょうかね、これ、特に面白かったのが義時さんでした、アクの少ない感じに描かれてまして、その解釈に関…

「水戸学と明治維新」歴史文化ライブラリー150、吉田俊純

まあ水戸学が教育勅語と結びついていると言われ(そこまでは純然たる事実なんだろうとは思う、全く同じではないにしろ)、そして実際の日本が辿った歴史と教育勅語を思い浮かべ、水戸学を絶賛した人たちを考えればまあ、うん、インテリ勢が嫌い抜くところま…

「遣唐使」東野治之

そもそもなんで遣唐使の本を手に取ったのかの記憶がないのですが、とりあえず図書館に並んでいたからだったような気もします、で、わりと面白かったというか、今まで北九州(必ずこの地が中継ルートになるようです)に頼っていた技術関係の交流に関しても、…

「祗園祭と戦国京都」河内将芳

私はこの本を主に戦国時代、というより、応仁の乱以降の京都の様子を知る目的で主に読んでいたんですが、そういえば著者さんの主題というか主張していた中にかつて祇園祭は庶民と政治権力との対立の歴史であった、という話が(紙芝居だっけかな? あと映画だ…

「戦国の交渉人-外交僧・安国寺恵瓊の知られざる生涯」歴史新書y020、渡邊大門

戦国の交渉人 (歴史新書y) 作者: 渡邊大門 出版社/メーカー: 洋泉社 発売日: 2011/08 メディア: 新書 クリック: 2回 この商品を含むブログ (4件) を見る このタイトルに書かれている「外交僧」というのが一定の機能としてそういう人たちが複数存在している…

「図説 街場の鉄道遺産」近郊・神奈川編、阪和明・文/松本典久・構成/岡倉禎志・写真

図説 街場の鉄道遺産 東京近郊・神奈川編 作者: 阪和明,松本典久,岡倉禎志 出版社/メーカー: セブン&アイ出版 発売日: 2014/03/03 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る ところで中央線だけ章が独立していて、地域的な意味なのだろうけれど井の頭線…

『権力の館を考える '16』#1「権力の館とは何か」

ちょっと別の講義の合間に挟む形で見ています、どんな内容なのかな、と思って録画したものの、えーと、これ自体は造語ってことでいいのかな?講師の御厨さんも時々お目に掛かる方ですね。あと、若い研究者の方がえらい整っててなんか妙に気になっちゃったw …

「幽霊-近世都市が生み出した化物」歴史文化ライブラリー433、髙岡弘幸

そもそも柳田國男に対しての特に感慨がないというか、民俗学への興味が薄いところがあるのですが(全く読まないわけでもないけどねー、多分この本の中でも触れていた類型化、キャラクター化が肌に合わないんだと思う)、どちらかというと柳田氏が妖怪を愛し…

「完訳フロイス日本史(4」秀吉の天下統一と高山右近の追放―豊臣秀吉編1、ルイス・フロイス

織田信長篇までが3巻で終了して、再編成されているので若干の時代の前後がありつつ(信長の章の中に普通に秀吉出てきてたけどね、当たり前だけど)、ここからが豊臣秀吉篇だったのですが、んー、なんか織田信長に対しての評価は多少どうかな、と思う部分が…

「本当は面白い「日本中世史」 愛と欲望で動いた平安・鎌倉・室町時代」八幡和郎

サブタイトルを見るとわかるし、ちゃんと断ってくれてるからいいのですが、平安時代をまるっと中世に入れているのはだいぶ珍しいのでちょっとびっくり。というか、平安とそれ以前の時代を分断するほうに違和感があるのかも。だいたい平安時代の後期くらいか…

「頼朝と街道-鎌倉政権の東国支配」木村茂光

ここで出てきた街道というのを少し掴みかねていたんですが、本の後半で出てくる東海道と、前半で回っていた土地は結局鎌倉街道と呼ばれる道でつながっていた辺りの地域ということになるのかな。が、古道としても大動脈で、江戸時代にも結局継承された東海道…

「あなたの知らない空海と真言宗」歴史新書、山折哲雄・監修

あなたの知らない空海と真言宗 (歴史新書) 作者: 山折哲雄 出版社/メーカー: 洋泉社 発売日: 2013/08/06 メディア: 新書 この商品を含むブログ (2件) を見る そもそも最近まで「弘法大師」と「空海」を分離して捉えていたような体たらくなんですが(よくよく…

「つばめマークのバスが行く-時代とともに走る国鉄・JRバス」交通新聞社新書065、加藤佳一

つばめマークのバスが行く―時代とともに走る国鉄・JRバス (交通新聞社新書) 作者: 加藤佳一 出版社/メーカー: 交通新聞社 発売日: 2014/04 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 私国鉄の幹線バスの存在を知らなかったんですが、あくまでも鉄道路線…

『日本古代中世史 '11』#15「地域史への展望」

まあ正直なところ日本中世史のラスボス(現時点ではねー、ご存命の時は網野善彦さんだと思う、前ボス)である五味文彦さんが出てこられたので若干身構えてたんですけども、いや、理論が受け入れられないんじゃないんだよ理論は大丈夫なんだよテーマの時点で…

『日本の美術465 山岳信仰の美術-熊野』中野照男

別のところのブックレビューをまとめていて、熊野三山が今の三社体制(っても、なんか妙にあやふやな説明されていてどこにどなたがいるのやら、一体化してるって漠然な認識でいいですよ的にも言われていたんですが)になったのが永保年間よりも前だろう、と…

「あなたの知らない法然と浄土宗」歴史新書、山折哲雄・監修

あなたの知らない法然と浄土宗 (歴史新書) 作者: 山折哲雄 出版社/メーカー: 洋泉社 発売日: 2013/10/05 メディア: 新書 この商品を含むブログ (7件) を見る 読書メーターを見ても地味だ地味だー、と言われていたんですが、なんだろう確かに、でも、この人の…

「江戸の養生所」安藤優一郎

このタイトルになっているのが小石川養生所で、触れた時点で「暴れん坊将軍と大岡越前の時代の貧民救済のための無料診療所?」ということを友人に言われたのですが、正直これにもドラマが存在したなぁ、という程度の記憶しかなく、だいぶ酷いことになってい…

「金属・鬼・人柱その他-物質と技術のフォークロア」若尾五雄

とりあえずこの前後に似た系統の本を読んでいたのでどれがなにかよくわからないところがあるんですが、野武士ってこの本か、多分同じ著者さんの本で見てこちらにも出ていたのではないかと思うのですが、正直見たことはあったんですよ、仕官していない武士の…

「国鉄EF13形-戦時型電機の生涯(下」RM LIBRARY-126、小林正義

国鉄EF13形〈下〉戦時型電機の生涯 (RM LIBRARY 126) 作者: 小林正義 出版社/メーカー: ネコ・パブリッシング 発売日: 2010/01/01 メディア: 単行本 購入: 1人 クリック: 1回 この商品を含むブログを見る EF12形から仕様をぎりぎりまで削った形式として…

「国鉄EF13形-戦時型電機の生涯(上」RM LIBRARY-125、小林正義

国鉄EF13形〈上〉戦時型電機の生涯 (RM LIBRARY 125) 作者: 小林正義 出版社/メーカー: ネコ・パブリッシング 発売日: 2010/01/01 メディア: 単行本 購入: 2人 クリック: 2回 この商品を含むブログを見る ちょっと間違えて取り寄せてしまったので電気機関車…