「国連新時代−オリーブと牙」外岡秀俊

国連新時代―オリーブと牙 (ちくま新書 (005)) 1994年出版の国連の本で、今のところ他に2007年の本を読んでいるわけですが、日本の「常任理事国入り」の課題はこの頃からあったんですね。
2007年までの変化ときたら、ドイツとだけ組んでいたところが、インド、ブラジルとも(常任理事国のない地域から)組むことになったくらいなんですが、これすら1994年当時に構想自体はあったようなので、国際問題って息が長いものなんですかねぇ。


日本だけなら問題ないんだけど(アメリカも喜ぶし、すでに英仏が近いので中国が近いけど問題ない)(そして国連への金銭負担が世界第二位だという...orz)(反対しにくいなそれは;)。しかし一国だけ増やす、というのは案としてありえず。
反対はされないけど、わざわざ動いてくれることもまたない。
というのが他の国と共に動いてる理由なわけですが、他の国はいろいろ問題がね、まあ、仕方ないんですが、そもそも日本の国内世論が望んでないのも大きいだろうなぁ。
そしてこの本は主に時期の問題のせいか。
事務総長の役割りとPKOに関してが多く語られていて、ちょっとこう、読みにくい部分もありました、いきなり投票結果から始まっているし。多分、その当時に今程度の興味があったらすんなり読めたのではないのかと思えるんですが。
冷戦構造のぐたぐた状態の中から生まれた中間的な存在「平和維持軍」PKO。
この著者さんはもしかしたら、日本の戦後に偶然のように国と国との狭間で生み落とされた結果的に平和憲法となった9条と似た有用なものだと、その苦しい状況が故に価値があるものと思っているのかもしれないな、と。
そんなことを考えながら読んでいました、むしろ理論部分は良かったです。