「高慢と偏見」上、ジェーン・オースティン

高慢と偏見〈上〉 (岩波文庫)

高慢と偏見〈上〉 (岩波文庫)

この話が面白いのはきっと、ダーシー卿がとんでもなく、自分でも無意識のツンデレだからで間違いないと思います。どんなに女の立場が微妙で、とりあえず結婚ということを念頭に置かないと「食ってけない」「命に関る」ということまで提示されているのに、どう足掻いても主人公のエリザベスは大丈夫! というのが頭から離れないとあらこんなにもコメディチック、すごく軽やかに面白い。
よく考えると笑い事じゃねー、というエピソードもありますが。。。
本気で彼女らの生活そのものが危機に陥ってもいましたね、ただ女であるというだけのことで(娘しかいないから父親の財産を継ぐ権利が発生しない)。


でもまあ、無意識ツンデレがいるから大丈夫ですね。
なんせヤツはすげー金持ちですし、それにしても、親友の結婚相手に口出した挙げ句にそれが簡単に聞き入れられるのはどうかと思います。ちょっとお兄さん、そこで諦めないでよ、地位が違うわけでもなくて単に押しの強い親友だろう結婚まで指図されなくても?!


という、この妙に捩くれた美形クール系金持ちツンデレが“高慢”です。
そして彼が最初に会ってから、全然美人じゃない、踊りを申し込むのに足りない、性格も好きじゃない、なんか態度がいつも無礼、と思い続けている彼女が“偏見”です。
エリザベスが悪いんじゃないと思うんですよ、だって偏見っていうか、ダーシー卿本気でなんか表面的にかなり変じゃん! 性格のいい親友がいくら彼の性格を保障して、その親友が姉への求婚者でも誤解しちゃっても無理はないよ!!
すっっげぇ面白かったです、このツンデレが、こーのツンデレがぁぁっ。