「戦場の現在(いま)−戦闘地域の最前線をゆく」加藤健二郎

まあ、日本人でこの手の、“現在”の戦場の本を書いている人というのは、それが職業である自衛官の本(は仕方のない諸事情により大変少ないわけですし、イラク関係はぽちぽちありましたね)でもなければ多少変わっているというか、著者さん本人が多かれ少なかれ変わっているものなのですが。
個人的な雑感で言うと、この方の場合「戦場に行きたい!」というのがまずなによりも上位にあって、どうせなら傭兵、と思っていたそうなのですが身体的にどうしても採って貰えず、ジャーナリストになっても正規の資格で、というのがどうしてもしっくりと来ず、とにかく危ないところに危ないところに、という性向がありますもので。
ぶっちゃけてスパイかと疑ったほうが正しいような気もします。
とはいえ国籍日本人で前歴が全く綺麗な彼は出るところに出れば結構強く(日本大使館絡みのエピソードはちょっと寒かったです;)(南米ペルーが平和になった、というのは大抵の人が言及してますね)、コスタリカでCIAの出先機関に捕まってしまい。
なんとかはったりで開放されました後、裁判を勧められて実行しましたところ。
そのまま国そのものから該当機関ごと放り出されていた、とのことなので、平和活動家の方には大変褒められてしまったそうで、正直、当人が言うように「その機会を窺がっていたんだろう」というのも納得出来ないでもないものの、なんとなくしっくり来ない気持ちも共有できるような気もしないでもないというか、なんだったんだろうこの話w


イラクの話、ユーゴスラヴィアの話、戦場で誇張される被害者数の話。ある意味で危険だけを目的にどこにでも行ってしまう人だから、説得力があるようなないような、案外平和な戦場の話、ここ数年、日本人が狙われるようになったかなとか、そんな本でしょうか。