「世界秩序の崩壊「自分さえよければ社会」への警鐘」ジョージ・ソロス

とりあえず、「アジア通貨危機はやってねぇ」(信じますけど、むしろ通貨危機で儲けるなんて発想を考え出したことに対しての非難だったんじゃないのかなぁ?)、旧ソ連邦の崩壊に関しては幾つかの国に教育機関と情報公開機関を作ってはいたけどね、というところまでは認めてますが、むしろ無力だったねと言い(うん、これも信じる)。


要するにあれか、イングランド銀行はやっぱりやったんだな?
ということをむしろ期待してソロス氏の本を探していた経緯がありましたもので、正直、その辺が全く触れられてなかったのは残念だったんですけどね、まあ、内容としてはそれなりに面白かったというかなんというか、ここでもぶっちゃけると理論として荒い。
なにを言いたいのか、ということに関しては見当くらいは付くものの。
どっちかというと、昔読んでいた哲学系の本のおかげじゃないか、という感覚は否めず、実践の人ではあるもので(なんせ一国の中央銀行とガチでやって勝ってるしな)、実例が出ていればそれなりにわかりやすくはあるものの、今度はなんだか「これ正しいのかな;」ということが気になって仕方ないというか、いえ、私だって詳しいわけではないですよ、社会主義の真っ只中で政府と対等に渡り合ってる人ってわかってるんですが。
しかし、いくらなんでも、よくある勘違いなのは本気でどうなんだというか、、、ちょっと詳しい新書を読んだ時点でええええ、というレベルっていうか。
とはいえ、それでも面白くないかというと面白い。
あくまでどこまでも実践の人なのか、どのような状態になるとどんなことが起こるのか、ということに関しては外さないというか、すでに世界同時不況に「至る事情」まで見通しているというか、概ね全てがそんな調子、読む人を選ぶ本かなぁ、とは思います。