『アウトブレイク:病原発生と感染ルート』#6 ブタと殺人ウイルス

ニパウイルス感染症−Wikipedia
1997年ですとある程度はもうWHOに感染症の対応が整っていたと思うんですが、その舞台となったのが東南アジアのマレーシアの養豚業者が主だったこともあり対応が遅れ、地元の医師(どうも正規のお医者さまではなかったようなんですが)がウイルスの奇妙さに気付き。
アメリカのCDC≪疾病管理予防センター≫に助けを求め、オーストラリアで感染が広がり、発見されていたヘンドラウイルス(パラミクソウイルスという分類らしいです、どっちも)と特徴が近いことが判明、分離に成功した村の名前を取って“ニパウイルス”と名前が付けられたそうです。


んで、そのオーストラリアのウイルスをコウモリが媒介していたことで「自然宿主」がコウモリではないかと見当が付けられ(もともとウイルスを見つけたマレーシアのお医者さんは蚊が媒介するのでは、と思っていたそうなんですが)、地元の馬鹿でっっかい(羽を広げると成人男子の片腕の長さくらいあります...orz怖)コウモリが捕獲され、まずブタへの感染ルートが発覚。
フルーツコウモリだったの唾液の付いた食べ残しがブタの口に入っていたんですね。
その後、ブタの飼育者にウイルスが“接触感染”し、そのブタが密かに別の養豚業者に販売されることによって飼育形態の違う(外の物が混入しない、もしくはコウモリのいない)地域のブタにまで感染。そのことを養豚業者が病気が広まるまで黙っていたことから感染ルートが謎とされてしまい、国内にパニックを引き起こしてしまいましたと。
最終的にブタの射殺、ブタ小屋の消毒破壊によって対応。養豚業者にも長くダメージが残ったそうなんですが、もう少し早く感染経路がわかっていたらなぁ。