「カナダ」目で見る世界の国々4、M・M・ロジャース

正直申し訳ないながら(例えば位置の情報時点でどこそこの大国の近く、という表現をすることはままあれど)、下手をすると国の特徴そのものを挙げる段階で「アメリカの隣」という表現がかなり上位で出てくることもないでもない国で。
日本のような様々なことに疎くなくても「良い国」という漠然とした印象で終わってしまってあとが出てこない、という北米大陸の国、カナダ。
まあでもうん、国の内部を見てもとことん良い国だなー、というか。
実はこの国、どうもかなり初期からフランス系(先)とイギリス系の移民、という対立軸を抱え、国家そのものがその対立軸によって形成された、という表現をされていて、なんでそこまで? と正直思っていたんですが(ある意味で民族対立そのもののエキスパートというか、調停者として位置付けられていることがあるんですよね)。


もともと北米大陸でも開発そのものがあまり進んでなかったため、他のもっと条件がいい土地が手に入らなかったフランス系住人が入っていたようなんですが、じきにある程度発展した時点でイギリスがこの地を支配。
なんでもこの本の出版時点でフランス系24.4%、イギリス系38%。
だんだんと別の民族も増えてきて現在“その他”が最大派閥、ということになると、ああ、妥協せざるを得ないというか、下手争うと隣国アメリカに吸収されかねないというか、実際フランス支配からイギリス支配へと切り替わった時点でフランス系住民への抑圧もあったようなんですが、あまりの効率の悪さ(そりゃそうだろうよ!)にじきに妥協的に。
ある意味で国内の対立やアメリカに支配されるのではないか、という負の側面が扱われていた本ではあるのですが、欠点が長所そのものの理由でもあるんだよなぁ不思議。