「イギリス人はしたたか」高尾慶子

日本はイギリスの鉄道会社に資本をつぎ込み、尊敬されれば良かったのだ。
というのは、彼女のある意味での実感なんでしょうか、日本という国を飛び出して行ってしまい、あちらの年金支給年齢になることを心待ちにしている筆者さんの書いた、三冊目なのだというエッセイ(前二冊は読んでませんが)。
なんというかこう、イギリスにプラスの印象を持っている人とというのは実際多いのではないのかと思うのですが(正直私もですが)、ある程度の事情通になると「なんでそうなるのかわからない」ということらしいですね。かの国。
まー、皮肉っぽいかつての世界帝国のイメージ強いからなぁ。
(性格というよりは口が悪い、口は掛け値なしに悪い、自虐も酷いよ!)
でもねー、なんでだか知らないけど英国側も日本に幻想抱きがちなんである意味で共通の理由があるのかもね。ちょっとこう、お互い知ってる国のイメージが古い、というか。
まあそれはこの本の内容ではないのですが。
動物愛護の精神を謳っているわりには狩猟が高貴なスポーツであったり、家畜を殺さずに海外まで運ぶので非常に残酷な光景が毎年繰り広げられているとか。


それと、彼ら自身もばっちり自覚してる、というか実際困っているのでしょうが、各種生活のサービスが遅くていい加減なことで有名だとか。でもこれは日本が異常なのだ、というのが一歩海外に出ると常識っぽいですが、その中でさらに「これは酷い」となるとどういうレベルなのかが実はピンときてません。
でも年金はしっかりがっちり! というのは彼女的に本気でしょう。
将来に関しては不安がないってのがわりと生活の根底にもあるようですねぇ。