「帝都東京・隠された地下網の秘密」秋庭俊

正直ものすごく大雑把に「地下になんかある」というのは(別に地下鉄のある土地に暮らしたことあるけど、東京のは明らかに別物だよね、日常的になーんかおかしい)(大江戸線なんてホームから地上に上がるまでにすでに変じゃ;)、大抵の人は実感としてあって。
そこが幻の地下鉄なんじゃないかなぁ、と結論付けられたらえー、とは思うものの。
その基点が515事件までの10年くらいの時代だの、戦後唯一解体された内閣府の関わってる痕跡が、と言われてしまえば、ああそりゃ、技術あればなんもやってないわけがねーよなー、、、としか言い様がないわけで。
(さすがに地表を開くオープン・カット工法だと隠せないと思ったんだけどこれすら下水事業って言えばいい訳だ、あんまし考えないからなぁ、工事の性質とか。)


ざっくりに言っちまえば、地下網を隠しているとしたら得られるのは浮いた建設資金であって、要は単に裏金になるよー、という話なんですよね(2巻で言われてるけど)。
2はちょっと読んで肌に合うかどうか自信がなくなっているんですが、この本だけだとそもそも陰謀説ってほどの内容でもないんだよね。最終的にお金の話。
とある建設資金が使途不明で消えてます、戦前きちんと認識されてた唯一の地下鉄ルート廻りでの妙な攻防があります、現在の地下鉄ってなんか時々空間が妙です。というだけですでに「なにか」あるということに関しては十分じゃないかなぁ。
ただそれが地下鉄であるかとか、規模がどのくらいかとかはまた別の話。
実際、官邸だの国会議事堂廻りに秘密通路があってもそれ自体はいーんじゃない? と思うしね、それはそれで仕方ないというか意味はあると思う。
もうちょっとこう、トーンが軽いほうが好みかもしれませんが、まあ別にいいや。