「スイス探訪−したたかなスイス人のしなやかな生き方」國松孝次

基本的に私“永世中立国”がスイス以外にあることすら、最近、国際関係を調べ始めるまで知らなかった始末なのですが、これ案外国内の意識としちゃ似たようなものじゃないですかね。赤十字の本部があるのもここ、国連の欧州本部(現在はウィーンにも事務局が出来てしまったのでジュネーブ事務局と呼んだほうがいいそうです)もスイス。
ヨーロッパ有数の美しい山脈を持ち、清浄な空気を生かした精密機器、時計産業。チーズとチョコレート(日本人の味覚にも合うそうな)、遊牧に、えー、銀行、民兵組織に現在も名残を残す傭兵の歴史。各家庭に完備された核シェルター。
誰が悪いわけでもないと思うんですが、スイスへの日本の誤解っぷりはすごいです。
しかしスイスが騙したというのは違うと思うんだ、どこにどう誤魔化す意思とかがあるんだよこの国は物理的に無理でしょう、永世中立はそれ相応の軍備をしておいて、侵そうもんならただじゃ済まさねぇ、という確固とした意思で勝ち取るものみたいです。
に、日本は天然の要塞があるので、別に甘いとかそんなじゃないですよ!
(誰に言い訳してるんでしょう、ちなみに要塞ってのは海です、海洋です。)


で、国内にはなぜか独自の言語が存在せず(欧州は他にオーストリアだけらしい、ここはドイツ語で成り立ち的にも妥当)、数種の言語が混在、もともとその独立の時点から余所からの侵略を排すようなところがあり、国内も複数の都市の複合体。
ウィリアム・テルっちゅー、林檎を息子の頭に乗せて権力者の前で射抜き、それを改革の契機とした、という人物の伝説が残っているそうですが、実際にはかなり自然発生的に地域の願いとして起こった建国の運動だったそうな。
それ以降の独立独歩の強い意志は非常に格好いいです、誤解より格好いいっす。