「メキシコ史」フランソワ・ウェイミュレール

こう言っちゃ申し訳ないんですがイギリスの植民地などですと曲がりなりにも社会制度が先にあって、そこからの貢物を本国に送らせる、という体裁でそれが素晴らしいってんじゃないし最初からそうだったとは言わないんですが、搾取前提で管理システムを作り。
その上でその利益を自国民他しまいにゃ他国にまで掻っ攫われているという時点で、とりあえず道義上の問題よりも先に別のところを責めたい気がします。
というか、まともな人がいないわけではないんですが、キリスト教の良心的な教育者が教育した端から労働力として浚われ、土地を何度分配しても横槍が入り、「スペインから来たスペイン人」と「メキシコで生まれたスペイン人」に身分の差が歴然として存在し。
延々延々と権力闘争が何世代にも渡って続いたとなると、もうわけがわかりません。
その区分で世代を越えた争いに意味あるの?! なんかの読み間違いかと思って何度確認したことか(そして混血との間にも、原住民との間にも当然格差が)。


確かにアステカ帝国を虐殺したさ、しかしそれは対等の戦闘であってしかもその際に原住民の他種族の協力を得られたのだって悪いこととその時点では言いにくい、んですが。
そして、二代目から数代目までの任命された“副王”は善人ですらあるんですが。
しかしその後の歴史がそんなだと、遡って非難されるのも致し方ないのか。。。
まあ、アメリカやイギリスに狙われてるっぽいんですが(テキサス取られたー)、そっちのほうがマシかも、と正直思ったんですが、現地の人もそう思ってた気もする。スペインは追い出されましてその後、メキシコ革命を経て(から数世代が記述)。
まあ、なんとか落ち着いてきたといえなくもないのかなぁ。
正直、出来事はわかるんですが民族性というものはこの本では描かれていないかも。