「カイロ」牟田口義郎

エジプトの大雑把な通史、と探してみたところものすごく分厚い本しか存在せず、、、なんとか頑張って検索してみたのが“世界の都市”シリーズの一冊だったんですが、結果的に大当たりでした、というか、都市が現在の位置として形作られていく経過までを、ということになると自然に国の歴史に触れることになるもんだなぁ。
エジプトはまあ、古代ファラオの王朝が長く続いた後(制度が同じという意味ね)、イスラムの諸国にわりと順繰りに支配され、欧州からはフランスのナポレオンが来たこともあるような「御しやすき民」だったようですが。別に大人しいわけじゃない。
(なにかあっても市民単位じゃなくて国単位で動くことになるんですが、国単位でまとまっているようなところに無理強いしようったってそもそも上手く行くわけがない。)
基本的に各種支配時期は長いものの、それぞれ尊重せざるを得なかったようです。


でも、一番最近のイギリスは見事に商業主義を発揮しての「スエズ運河>>エジプト」という態度だったもので状況が悪化(フランスは相変わらず計画性ねぇな)、独立の運びとなったようですがその後カリスマ的なナセル大統領、という、ええと、民族の父親的存在である政治家が(アラブ民族皆の、てことらしい)出たために彼のもとで出発。
したものの、イスラエルとことを構えたらなんか異様に強かった、と。
その後、ナセル大統領の死とイスラエルとその向こうの欧米に配慮しながら、という状況は中東国はほとんど同じですね、その形は全く違いますが。
で、外国勢はほとんどないので文化的な保存度は高いものの内部闘争はぽちぽちあり、支配者からの影響も民族混合も、特に押し付けられたわけでなくてもかなりあるようです。
でも、間違いなく文明最古の物が残ってる国ですよねぇ、物持ちいいわ。