「神聖ローマ帝国」菊池良生

すごく正直、いまいち聞き覚えのない国の名前で場所はほぼ現在のドイツ。
そして私はぽちぽちとエピソードのつまみ食いをしてはいるもののヨーロッパ通史には疎く、一応“ローマ帝国”の知識くらいはあるのですが、なんというのかなぁ、「建前としてのヨーロッパ」を現代の感覚で切るという本ですごくわかりやすく、案外入門書として良かったかもしれないなぁ、と思わないでもありません。
ウィーン会議とか読んでるけどな! あれも面白いけど入門書じゃねーな。。。)
で、その神聖ローマ帝国というのはなにかと言いますと、なんでもローマ帝国が東と西にどうやら別れてしまった後、西だけが滅んじゃったらしいんですが、とある時にローマ教皇が、とある人物を味方に引き込むために「西ローマ皇帝の地位いらないかーい?」というふうにコナ掛けたのがきっかけとなって、その後主にドイツの地で延々とたらい回しにされてきた地位なんだそうですよ(東ローマはわりと簡単に了解出したらしい)。


いや、“神聖ローマ帝国”とか名乗ってないけどね(力が弱るたんびにだんだん大仰な名前になったらしい)、ぶっちゃけて皇帝の地位だけが存在していて「で、国はどこ?」というのが実情だったらしいんですが、とにかくもう、ヨーロッパ人はローマが好きと。
ローマの属州になっていたというのは今も自慢の種だそうです、私もわかりません。
なんでもローマというのは今のイタリアの地らしいんですが、なにぶんにもドイツの地の王たちが皇帝になっているもので、支配しきれません、イタリアを統治しようとすればドイツがお留守になるし、その逆もしばしばしば。フランスも皇帝の地位を狙ってくるし。
というか、全くまとまりがないというか際限なく分裂して併呑されて、を繰り返しています、ローマの幻想に振り回され続けた欧州って解釈していいものなのかなぁ。