「井の頭線 沿線の1世紀」鎌田達也

他にもう一冊、同じシリーズで小田急の本があるもので、ひょっとしたら鉄道会社(どうも同系統の発足をした会社みたいですね、合併と分離を繰り返して今は全く別の会社に)の括りでそういう選択になったのかな? とも思ったのですが、これを見てるとそういうわけでもないのかなぁ。
ああでも、やっぱりそこはそれなりに鉄道視点の話もぽちぽちあるかな。
個人的には発足当時は全く別の会社であって、同じ会社となるまでに20年ほどの間のある京王電鉄が平然と井の頭線(の前身の帝都電鉄)の開業当時からの車両の写真を持っているのかがちょっと気になったんですがw 不思議なことでもないのかなぁ。
もともとの山の手の第2環状計画の西東京側のなれの果てとして小田急と一緒に生まれて当面渋谷を目指したという、やたら綺麗なイメージのあったという帝都電鉄なんですが、沿線に学校が多いとか、駅と駅の間が非常に近いとかが特徴といえるのかな?


沿線の街の発展の様子と、そこに暮らす人々の写真にまつわるエピソードと、戦時下の空襲の被害をもろに食らった状況などがたくさんの写真や駅舎の様子なんかとともに淡々と語られていく体裁の本。
あくまでもメインは写真ですね、沿線に高性能レーダーの工場があって辺り一面が焦土になったのだとか、車両倉庫が燃えてしまってまともに動けるのがトンネルに非難した2台だけだったとか(この時に吸収合併されてた大東急というグループからの各種応援があったみたいですね、でもこの本では合併も単に事実として語ってるだけなんだよね)。
空襲にあった後は渋谷寄りの街が米兵を受け入れる花街になったとか、渋谷の情景とか、記録の開示に徹しているところがなんか悪くなかったかなぁ、と。