「ハンニバル戦記(上」ローマ人の物語3、塩野七生

基本的にこの巻では対カタルゴ(大雑把に北アフリカ辺りの都市国家)戦である“ポエニ戦役”の第1弾が主に取り扱われていたわけですが。
ぶっちゃけて、あとちょっとでハンニバルさんが出てくるよ!! という前哨戦のようなものかと理解してみたんですがどうでしょうか。ローマの不倶戴天の敵さんです(あとエピロスのピュロスさんと、ローマと敵対はしてませんがアレンサンダー大王とか強い)。
ところで前巻で大接戦を繰り広げていたサムニウム族の執政官が登場するんですが、ローマ人の度量を褒め称えればいいのか「さすがに最高権力者に選ぶかフツー?!」と呆れていいものやら迷います。まあ、2人体制で一年任期で、戦の最前線で指揮官もこなす地位なので結果的に良かったというのはわかるんですけどね(山岳民族の戦法かぁ、確かに)。


カルタゴは当時は豊かだったアフリカの地での農業国、そして地中海の覇者。
その頃はローマと実力を二分し、ローマがからっきし海が駄目なのに対して海運国、かつての巨大な海“軍”国。なのになんで陸はともかく、海での戦いにローマが勝てたのか、というと、うーん、柔軟さや粘り強さ、時の運も少しはあるのかなぁ。
ちゅーか、あれですよね、「海の戦い」に慣れていないからこそ、新しい戦法を取り入れるのに躊躇いがなく、そして逆にカルタゴにとっては今までとは全く違うタイプの敵になった、ということにもなるのかなぁ。
(しかし伝統的な海運国はそれほど柔軟にはなれないよなw)
そして何度かの衝突の結果、ローマはカルタゴに敬意を表してそれなりに不利でもない講和条件を示し、シチリア島はゲット(ギリシャ文化が入ってきたそうな)。
一人善戦していたハミルカルさんという方がスペインに移住し、んで次に繋がるのかw