「人口論」マルサス

正直こう、最後の最後に至るまでかなり陰鬱な内容だなぁ、と思っていたんですが、ああ、そういう本なのか。最後の最後で意外と前向き真意がわかる構造ってw
とはいえまあ、一つの意見を論破するのにもねちねちねちねちじとじとじとじとと非常にうっとおしく、意見が間違っているとしてもそんな他愛ない願望をそうも扱き下ろさなくても、と思うんですがその辺違うんでしょうか、なんでまたこんな結論に達したのかどうしても理解に苦しむとか、そんなことが延々と並んでいます(罵倒などは一切合切ない)(逆にそれだからこそ根暗に見えるかと言われたら見えますな、うん)。


要するに、人間の食糧増産よりも人口増加のほうが早く行なわれ、それを抑制するためには悪徳の習慣(如何わしいあれこれ)と不幸しかない、というのが最大の論旨。幸福な状況におかれ、全ての社会的害悪を取り除かれた彼らは史上かつてないスピードで人口が増え、「あっ」という間にすさまじい食糧不足で血みどろの奪い合いが起こるよねー、と。
とても正しいとは思いますが暗い、ここまでは論旨が暗いので仕方がないのですが、今度は様々な社会の理想論を打ち出している人たちを一人ずつ引っ張ってきては上記理論によって一個ずつねちねち否定を。それが本当に必要あったのかはちょっとわかりません。
(社会の世相として否定すべき政治理論だったんだ、と言われたらそれはマルサスさんの全く自由だと思いますが、現代人が見てると意図わからん。)
ところが最後に人間って多分幸福だと満ち足りて動かないと思うんだよね、様々な不快や不幸がなければきっと、世界に人間住んでいなかったと思うんだよね、と言い出すわけですよ、ああ、全ての不幸の源である人口の増加率の過剰も、人間の進化の原動力って見做していたのか、それはなかなか前向き、、、もう少し早い段階でそれ言ってくれてもさー?!