『美の巨人たち』サージェント「マダムⅩ」(アメリカ)

ジョン・シンガー・サージェント−Wikipedia
(1856.01/12−1925.04/14)


でもまあ、肩紐はちゃんとしてるほうが絵全体に注意が行くのでいいような気はしないでもないんですが。だって正直、横にズレてるとそこしか見れない...orz
見事にくびれたウエスト、美しい白い肌に血の通ったことを示す耳。
端正極まりないつんと澄ました横顔。


アメリカで生まれ、ヨーロッパで教育を受け。器用で如才なくスマートで。
唯一袋叩きにあったこの作品以外はほぼ絶賛されたそうですが、あの無駄な肩紐は確かに好みが別れるところなのかもしれません。どうせなら片肌脱いでれば!(違う)
ヨーロッパではアメリカの田舎者と言われ、その教育のためなのかアメリカにもどこか馴染めず。受け入れられる時はほとんど常に「異国の画家」として受け入れられたという。
フランスではアメリカ人だと言われ、そっからイギリスに渡ったらフランス流。。。
どこにいればいいんじゃー?! と考えてても責められない。


常に依頼で描き続けた肖像画家が、唯一自分で描きたいと言い出したのは、異郷で出会った同国人。彼と同じようにヨーロッパに認められたいのだという野心を抱いていたという氷のような美しい夫人。唯一の酷評され、習作を描いて描き直し、32年間手元に置き。
アメリカの美術館にある日、ぽい、と元とはタイトルを変えて売却。
彼は結局、故郷を手に入れられたんでしょうか。