『美の巨人たち』国吉康雄「誰かが私のポスターを破った」(アメリカ)

国吉康雄−Wikipedia
(1889.09/01−1953.05/14)


アメリカの美術界の頂点に上り詰めたのだという日本人の画家。
「なんでまた絵画なのにアメリカよ?」という問いはもっともだと思うんですが、私程度の知識でもそう考えてたんですが、どうも画家になるつもりとかはなかったらしく、とゆーかアメリカに渡って言葉が通じなかったので絵を描いてたら勉強してみたら?
と言われたらしいというある意味で筋金入り。
ところが時代が日米間の戦争に向かってしまい。
どうもこう、日本の気質に合わなかったんですかね、この人。反日のポスターなども描くようなこともしていたようですが、さすがにこの時代じゃ日本人は自分の身元隠すのは難しいよなぁ。黙ってたら気付かれないなんてことはまずないだろうし。


で、自分の絵画に一切の説明を付けなかったようなのですが。
どことなくエキセントリックな、どこに属するのかもよくわからないような美しい人物(案外日本人でもおかしくない)たちを描き、意味が判然としない奇妙な響きのタイトル。
表題になっている絵は同時代の画家の描いた、フランス労働者の訴えがテーマのポスターが破られ、そこに不思議な女が腰をくねらせ振り返り、煙草を吹かしているという構図なわけなのですが。フランス? 労働者? なぜ破られて?
さて、なにを言いたいのか、わからんようなわからんでもないような。